ところが6年前、約10日先までの波風予報をしてくれる、頼りになる天気予報サイトを知った。教えてくれたのは当時知り合い、今に続く釣り仲間、豊田直之さん。職業はプロの水中カメラマンで、キヤノン販売の「海宇宙」と題した1996年の企業カレンダーには、豊田さんの写真が使われている。さらに長年、日本を代表する釣り具メーカー、ダイワのフィールドテスターを務めている。フィールドテスターは開発中の商品を実践で試し、改善点などをフィードバックする。相当な腕前でなければ務まらない役割だ。その豊田さんの、前代未聞の名著をご紹介しよう。『釣魚図鑑』(日本文芸社 新書判 320P 定価1512円/税込)だ。
海、川、湖沼で釣れる魚、約400種類を写真入りで詳説している。そして驚くことに、魚ごとのメインの写真すべてが、自ら釣り自らその場で撮影したものなのだ。だから魚が船の甲板の上に置かれた写真が多い。また魚によっては、自ら潜って水中で撮影した写真まで掲載されている。さらに解説には魚の生物的な特徴だけではなく、釣り方や食べ方まで書いてあるのだ。その離れ業ぶりが釣り好きのハートを直撃し、現在9刷りを重ね累計3万5千部に達している。
アマダイのページ。3年前に仲間内でアマダイ釣りに行き、全員不釣の中、豊田さんは最後の一投で45cm級を釣り上げた。