【年上の部下が非協力的で、まとめるのが大変です。】
−−営繕係休憩室。それは、あなたの会社の中にある秘密の扉。会社の中で、あなた以外は誰も知らない秘密の部屋。悩んだら、いつでもおいで。悩みがなくても、遊びにおいで。さぁ、今日もひとりのサラリーマンがその扉のノブに、そっと手を伸ばしたようです。
【今週のサラリーマン相談】
社長にヘッドハンティングされて、『新入社員で管理職』になりました。部下には私より経験が長いスタッフも、年上のスタッフもいます。私は、社長肝いりの新規プロジェクトを取りまとめる立場に就いたのですが、部下たちが協力的ではありません。どうにかうまく懐柔する方法はないでしょうか?
サラリーマン田辺(入社1年目、45歳、課長、エネルギー関係、札幌市)
サラリーマン田辺(以下、田辺)「へー、ここがこの会社の営繕室かぁ」
営繕のみつさん(以下、みつさん)「君が新入りの課長さんか。営繕係って知ってるかい?」
田辺「もちろん。前の会社にもありましたから。切れた電球を交換したり、机の補修をしてくれたりする、会社の設備補修部門ですよね」
みつさん「そう。じゃあ特別に新入りの君が配属された企画部の伝統を教えてあげようか?」
田辺「助かります! 課長なのに全然『経験』がなくて、部下が協力してくれないんです」
みつさん「ここの企画部には、茶色便と呼ばれる書類が月に1回出回るんだよ」
田辺「ちゃいろびん? なんですか、それは?」
みつさん「企画部は残業が多いから、しょっちゅう電球が切れる。だからみつさん、何度も行くんだよ。
でね、電球を替える時に机の上に立って作業するんだけど、そのたびにコーヒーカップを足で倒すから、書類がビッチョビチョになるんだよ。
だから企画部の書類は、1か月に1回は茶色く染まるんだ。それが、茶色便さ。覚えておいたらいいよ」
田辺「え? あんた、何を自慢げに失敗談を語ってるんですか? 電球を替えに来てデスクのコーヒーこぼすって、全く役に立ってないじゃないですか。むしろ、仕事を増やしている!」
みつさん「だって、仕事が増えないと、社員はヒマになるじゃん」
田辺「え? 毎回コーヒーこぼして、その自信はいったいどこから?」
みつさん「だって、君の相談は、『部下に協力してほしい』でしょ? なんで、協力してくれないと思う?」
田辺「経験もないくせに、突然、外部からやってきて、しかも上司だから、部下たちは嫌な気分なんでしょうね」
みつさん「違う。まーったく違う。真逆だ。君がしっかりしているから、協力できないんだよ」