37cmは当日に内臓とエラの処理だけして、翌日自宅で食べることにした。されど、これはいささか失敗。アマダイは身がやわらかい魚なので、1日置いての3枚おろしとなると、僕の腕では綺麗にスパッと包丁が入らず、中骨にかなりの身が残ってしまった。しかし転んでもただでは起きない。中骨に残った身を逆手に取り、アマダイのなめろうを作った。
なめろうは一般に、アジやイサキで作る。比較的身のやわらかい魚に向く料理なので、ならばアマダイもありと思い至ったのだ。高級魚・アマダイのなめろう、なめらかな舌触りながらむっちりとした食感が、ネギのシャキシャキ感とナイス・ハーモニー。このむっちりがアジやイサキにはない。
刺身は釣り当日のような歯ごたえはないが、むっちりしていてほんのり甘い。1日置くと身がベロベロになり刺身には適さない魚もあるが、さすがは高級魚、むっちりアマダイは翌日の刺身も美味しい。さらにアラで潮汁も作り、上品な味わいを堪能した。
アマダイ釣りシーズンは、まだ始まったばかり。今季こそ50cmを上げたい。その秘策として次回は、近頃台頭しているディギングなる釣り方を試そうと思っている。そのレポートは、また後日。乞うご期待。
文/斎藤好一
元DIME編集長 17年10月に小学館を定年退職。釣り、ロック、オーディオ、ワイン、車、旅行、ファッション、コスメ、まるで『DIME』のごとく多彩に興味津々。