ドイツには世界唯一の速度無制限の高速道路、「アウトバーン」がある。アウトバーンは想像通りの道なのか? 本気で走ってみた。
■アウトバーンと聞いて、どんなイメージを持つ?
“速度無制限”という響きは、人の心に無限の想像力の火を着けるようだ。「アウトバーンでは車が浮いて走っていたりするのでは?」なんて、多くの人が空想してしまうのだ。
アウトバーンは日本や韓国の高速道路と変わらない、ただドイツにある高速道路だ。違いがあるとすれば、合法的に最高速チャレンジができるということと、そんな道路を通行料なしで利用できるということだ。
2016年夏、フランクフルトからフライブルク間=往復約550kmの「A5」、「A3」ルートで、アウトバーンを体験してみた。
■アウトバーンの虚と実
フランクフルト空港に着陸する直前、乗っていた飛行機の窓から広い森地帯を横切るアウトバーンを目にすることができた。だが、車が高速道路をぎっしりと埋めている光景にびっくりした。帰宅途中のラッシュアワーのためだろうか。
これはどうしたことか? 交通渋滞がひどかった、フランクフルト周辺の道路 以下Photoすべて(C)劉昊相
レンタルしたBMWは、速度情報とナビゲーションがホログラムで表示されるヘッドアップディスプレー(HUD)付きだった
着陸後にレンタカーを借り受けて、すぐアウトバーンに乗った。 滞在先のベンスハイムまでは空港から南に約50kmの距離。40分以内で到着する予定でいたが、走り初めから車は渋滞で立ち往生を繰り返し、しばらく止まってしまうことすらあった。結局、目的地には1時間半をかけて到着した。まさか、こうなるとは思わなかった。