■一番手軽なのはクーポンのプレゼント?
ところで、やりとりが数百円から数千円程度であったら、もっとカジュアルに個人間送金を行う方法があります。それは電子クーポンです。
Amazonの商品券、スタバのフリーチケットなどをオンラインで購入し、メールやSMS、LINE等で送ることができます。飲み会の幹事をして、参加者から3000円ずつAmazonの商品券を送らせる、というのはなんだか変な気もしますが、使ってみると意外にシンプルなやりとりかもしれません。
あるいは、同じ会社の同僚で飲み会をした場合は、オンラインバンキングで振込してしまえば無料になる可能性が高いでしょう。みずほ銀行などは店舗内テレビCMでそうしたPRをしています。
これは同じ銀行の同一支店に給与振込口座を持っている場合、同一店舗内だと振り込む手数料が無料になることが多いことを利用しています。一部条件を満たせば、同じ銀行であれば他の支店でも振込無料になることがありますので、確認してみるといいでしょう。
個人間送金アプリはまだ覇権争いが始まったばかりです。ユーザーとしてもすべてのアプリをインストールして飲み会ごとに使い分けすることは面倒であり、好まれません。おそらくシェアを獲得したいくつかのアプリに収斂していくことになるでしょう。
ここに競争に参加するアプリが追加されるのか、今のメンバーで競争が加速するのか、今後の動向が楽しみなところです。
個人的には「モバイルSuicaを重ね合わせたら2000円移動、手数料無料」としてほしいんですけれどね。
文/山崎俊輔
AFP、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。商工会議所年金教育センター主任研究員、企業年金連合会調査役DC担当など歴任。新聞や経済誌サイトでのネット連載多数。
■連載/山崎俊輔のフィンテック入門
※記事内のデータ等については取材時のものです。