
砂糖などの糖分にはたくさんの糖質が含まれており、腸内で吸収され、いずれは脂肪となる。オリゴ糖だって砂糖なのだから糖分を摂り過ぎると悪影響をもたらすのではないか? と思われるかもしれないが、実はオリゴ糖は身体に良い、様々な好影響をもたらしてくれる優れモノなのだ。
■オリゴ糖の特徴・効果
オリゴ糖には、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノースなど、約20種類あり、それぞれの効果をもっている。
そもそもオリゴ糖には、小腸では消化吸収されにくく、大腸まで達しやすい特徴がある。それは、一般的な砂糖がブドウ糖と果糖という分子2つで構成されているのに対し、オリゴ糖は分子の数が多く、分解しにくいため、善玉菌のいる大腸まで届きやすいとされているからだ。
腸内には細菌が500〜1000種類、常に100兆個も住み着いているという研究がある。そのうち身体に良い「善玉菌」と、マイナスになる「悪玉菌」それぞれが存在するが、細菌の総数はほぼ決まっているのだそう。一般に善玉菌が減ると悪玉菌が増えるとされている。
消化吸収を助けたり、病気に対する抵抗力をつける働きをする「善玉菌」であるビフィズス菌は、こうした腸内細菌の1つ。善玉菌にとってオリゴ糖はエサとなり、腸内で善玉菌を増やす効果がある。オリゴ糖により大腸内で善玉菌の代表格であるビフィズス菌の増殖を促進し、便秘解消につながるようだ。
このように善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすこと、これがいわゆる「腸内フローラ=腸内菌叢(きんそう)」のバランスを改善するということなのだ。
単糖類のブドウ糖は、脳や筋肉が活動するためのエネルギーとなるが、摂りすぎると肥満や生活習慣病の原因にもなる。ブドウ糖は単体としても存在するが、果糖と結びつくとしょ糖…いわゆる砂糖になる。果糖は老化(シワ)の原因になるという説もあり、これらが合わさって砂糖を摂りすぎることが体に悪いという説の根拠となっているようだ。
それに比べてオリゴ糖は多糖類のため消化吸収されにくく、血糖値を上げにくくするといわれている。例えば糖尿病の人にとって血糖値の管理は大変重要だ。オリゴ糖を摂り入れることによって血糖値の抑制、糖尿病の予防にもつながるとなれば、その効果に期待してしまう。