劉:オーダーメイドの車を客が直接受け取る、ドイツ・フォルクスワーゲンのアウトシュタット(Autostadt: フォルクスワーゲン本社敷地内にある自動車博物館と遊園地)と似ていますね。
現:お客さまは自分が申し込んだクレジットカードが出来上がる過程を見た後、カードを受け取ることができます。普通は郵送で受け取れますが、愛着のあるカードであれば、完成する過程や受け取る瞬間を楽しんでいただけるように、特別な体験を提供したのです。Hyundai Cardならではのマーケティング戦略を表す象徴的な空間です。
劉:Hyundai Cardといえば、「スーパーコンサート」、「LIBRARY」サイト(トラベル、クッキング、デザインなど新しいライフスタイルを提案)の運営など、本業とは離れていることをやっている企業として有名ですよね?
現:不思議なことをやっていると思われるかもしれませんが、クレジットカード会社としては欠かせないマーケティング活動の一つです。ブランド価値を高めて、結果的にはロイヤリティの高い顧客を確保したいことが狙いですからね。
劉:そういえば、実は私も社会人になって初めて作ったクレジットカードがHyundaiのMカードですが、デザインに憧れたのが選んだ理由でした。今もMカードを使い続けています。
現:そうなんですね。Hyundai Cardは業界初でクレジットカードにデザインの概念を取り入れ、顧客を獲得しました。世界的なデザイナーのカリム・ラシッド(Karim Rashid)を起用してブラックカードを作ったり、カードの角にカラーを入れた「カラーコアー」デザインを発表したり、カードのレベル毎に様々なカラーを導入しました。デザインの好評により、特に、若者層に対してHyundai Cardのイメージが大幅に向上し、Hyundai Cardのコレクターまで現れました。
プロモーションも斬新。最近ロンチングした縦長カード模様のチョコレート!