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60代前半は7割超が現役、65歳以上の就業率は2割、シニア世代の就労事情

2017.11.25

高齢化社会に突入したこともあり、日本ではシニア世代になっても働く人が珍しくない。やりがいや生きがいのためであったり生活のためであったりと、働く理由は様々だが、就職活動をするに当たっては、シニア世代ならでは難しさや問題があるのだろうか。

人材ソリューションサービスを提供するジーニアスは以前、シニア世代の就職活動における意識調査を行なった。同社が運営するアクティブシニアのための転職情報サイト『シニア活用.com』の登録者を対象にアンケート調査を実施。転職活動を行なっているシニア世代(55歳以上)50名より回答を得た。

シニア世代の就職活動における意識調査

■65歳の壁。60代前半と60代後半とでは、就業率が大きく変化

近年、高齢者人口の増加によりシニア世代の就業者の数は増加。2015年の65歳以上の高齢者就業率は21.7%で、60歳~64歳の男性に限ると75.5%ものシニア世代が現役で仕事を行なっている。しかしながら65歳を過ぎるとその数は5割以下に減少。公的年金の受給が実質65歳に引き上げられ、60代前半は望む、望まないにかかわらず高齢者の就業率を引き上げる要因となっていることは確かなようだ。

シニア世代の就職活動における意識調査

■定年後フルタイムで働きたいシニアは3割にとどまる

「定年後に働きたい時間は?」という質問に対して、週5日8時間の、現役時代と同様の勤務スタイルを希望するシニアは3割にとどまった。多くの定年後のシニア世代は、定年後はペースを落として、週5日の勤務であれば6時間以内の短時間勤務または、週に2、3回の勤務を望んでいる。このことは、「定年後にお仕事をする目的は何ですか?」の質問結果にも表れている。

・自分の経験や能力を活かしたいから(62%)
・社会とのつながりを維持したいから(58%)

という回答が、「現在の生活のため」(46%)を大きく上回り、収入よりもやりがいを求めているシニア層が多いことがわかる。

■シニア世代の就職活動は?

現在行なっている就職活動についての問いには、「インターネットで情報収集」(78%)、「求人情報サイトに登録」(54%)と、シニア世代においても積極的にインターネットを活用した就職活動を行なっていることがわかった。また、「人材紹介会社に登録」(44%)と、民間の紹介会社を利用する割合が高く、「ハローワークを利用」(20%)を大きく上回った。一方、回答者からは、

・ハローワーク、人材紹介会社などの案内が少ない。特に年齢制限が多い。シニア活用は多くの場面で見るが、現実は制限が多くあり困難な状況である。(65歳男性)
・何度も仕事のエントリーをインターネット及び派遣登録経由で行っているが、64歳では対象外になっているようで、暗黙のうちに仕事を得る機会が消滅している。(64歳男性)

と、積極的な求職活動を行なっても年齢が原因で採用どころか選考にもたどり着けないという意見が多く寄せられ、自信の能力はあるのに年齢で差別されていると感じるシニア層は多いようだ。独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構の調査によると、企業の定年年齢については、今後「廃止する」が0.6%、「引き上げを検討」が43%となっているが、約5割の企業は現状維持と回答している。定年の延長議論だけではなく、定年後もシニアが働きやすい仕組みを作ることも重要である。

シニア世代の就職活動における意識調査

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