■自分への陰口を偶然耳にしたらどうする?
時には、職場で偶然、自分への陰口や悪口を耳にしてしまうこともあるだろう。そんなときはどのように思い、対処するのがいいのだろうか。
「人それぞれ感じ方がありますから、さまざまな感じ方や価値観の一つとして捉えると良いでしょう。自分のことを悪く言われることは受け入れがたいものですが、相手の言っていることを『一つの意見』として捉えることで、自分に求められている要素を知る機会となったり、自己成長につながる意見の一つとして取り入れたりすることができます。
ただ、自分にとって、聞き入れたほうがいいことなのか、聞き入れないほうがいいことなのかを取捨選択していくことも必要です。自分にとって良い影響を及ぼさないことは、必要ないものとして聞き流すことも大切です」
■さまざまな価値観に対し、柔軟にとらえる
いずれにしても、陰口や悪口に対して、認識を正しく持つことが鍵といえそうだ。宮本さんは、職場の人間関係を良好にするための考え方を次のようにアドバイスする。
「陰口や悪口は、その対象者に向けた期待や欲求が満たされなかった気持ちの表れです。
その陰口や悪口に同意はできなかったとしても、陰口や悪口を言っている人の感じていることや起きている事象として見ることができれば、話を聞きやすくなりますし、自分が相手の話を聞くことで相手の気持ちがおさまることもあります。
世の中には、たくさんの価値観がありますから、自分への評価を含めて、自分の感じることと違うことに遭遇したときに『良い・悪い』『正しい・誤り』といった基準で、周りの人や自分を判断して責めないことが良好な人間関係構築につながります」
職場という限られた世界であっても、多様な価値観が存在することを理解し、ただ「白・黒」だけで判断しないことが良好な人間関係を構築するポイントといえそうだ。
取材協力
カウンセリングサービス所属カウンセラー 宮本恵さん
電話によるカウンセリングと福岡地区にて面談カウンセリングを行っている。
カウンセリングサービス
http://www.counselingservice.jp/
取材・文/石原亜香利