部屋でのんびりスマホを見ていたら、背後で何かがカサコソと動く気配が……。振り向くとそこには「ぎゃーっ!」、テラテラと黒光りする姿をしたあの「G」(ゴキブリ)がっ!!
こんなホラーな状況を誰もが一度ならず経験したことがあるはず。暗くなると部屋のどこからともなく現れるGは、いったいどんな生物なのか? その生態を解明するために作られた研究施設が兵庫県赤穂市にあると聞き、さっそく訪れてみた。
■常時100種類の虫を飼育
その施設とは、『ゴキブリホイホイ』や『アースレッド』などの殺虫剤をはじめとした虫対策用品を製造販売するアース製薬の研究所。工場の敷地内にあるガラス張りの建物は、いかにも研究所らしい雰囲気が漂っている。中へと案内されて2階へ上ると、通路の奥に「生物研究棟」の文字とその横に立つ白衣姿の女性が見えた。
「ようこそ、アース製薬の研究所へ。ここ生物研究棟の2階にある生物飼育エリアでは、常時100種類ほどの虫を飼育しています」と説明してくれたのは、飼育歴19年を誇る研究開発本部の有吉立課長だ。「育てているのは主に『家屋害虫』と呼ばれる、殺虫の対象になる害虫で、その効果を試すために飼育しています」