2階のレストランでは入り口に何人ものさっそうとした専任スタッフが待機、ゲストを待ち受けている。勾配のある天井が高く、一面が軽井沢の自然一望の窓になっているレストランフロアは、都会の超高級レストランそのものの大人の雰囲気に包まれ、調度も一流。ボクたちがこの夜、案内されたのはレストラン左右の2カ所だけある、建物全体を統一する木目のコンクリート壁で仕切られた、一番奥の大人数用のテーブルである。
ここは東京赤坂、紀尾井町の有名料亭出身の料理長、調理人による伝統を継承し、日本の美しい四季と素材のうまみを最大限に引きだした本格懐石料理をゆったりとした軽井沢時間に身を任せ、堪能できる場所。まずはソムリエがセレクトした信州の地酒やワインのリストから、愛犬とともに堪能する旧軽井沢のディナーの始まりを鮮やかに演出する、レジーナリゾートではおなじみの、ピンク色のロゼにして辛口のメルシャン「長野のあわ」を注文。
今夜の坂本尚彦料理長による旬夏秋冬、豊かな軽井沢の気候と風土がもたらす美味、霜月の献立は、先付けに春菊と菊花のお浸し、いくらの醤油漬け、とんぶり、柚子。前菜は柿サーモン、紅葉真丈、鶏松風、鴨燻製串打、海老春巻、白身魚丹波揚、揚稲穂。
そして贅沢なお碗から、高級なお皿に氷が敷かれたアートと言える盛りつけの鮪、かんぱち、鯛、ボタン海老のお造りがテーブルを彩る。
洋食ではメインとなる今夜の中皿は信州牛サーロイン、なす、ズッキーニ、2色のパブリカ、ヤングコーン、アスパラの陶板焼き。山椒塩、山葵、ステーキソースの3種類がそこに添えられていた。
秋の味覚を視覚にも訴えてくれるもみじの葉と稲穂が添えられた、見るも美しい前菜、新鮮なお造り、お箸でも切れるやわらかさの信州牛サーロインに感動、大満足したあとは炊き合わせ。一流料亭出身の料理長ならではの味わいと言えるだろう。
揚げ物と食事、留椀、香物、水菓子、デザートと続き、およそ2時間半をかけた、レジーナリゾートのフラッグシップホテルのレストランにふさわしい繊細で手の込んだ、器も美しい料理を、ロゼスパークリングワイン、ソムリエセレクトの白ワイン、赤ワインとともに堪能(3本もフルボトルで!!)。もちろんマリアとララも愛犬用メニューを注文。フロアで高級な台に乗せられた器でいただいた。