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入社5年目社員の本音「仕事を一生懸命にやるのは、みんなと仲良くなるため?」京急電鉄・杉山誠一さん

2017.11.21

●“アニキ!”

金沢文庫電力区での失敗談といえば、竹梯子を一人で担ぎ上げられなかったことですね。電力区には重たい竹梯子を一人で担ぎ上げるという、伝統的な訓練があるんです。竹梯子を架線に引っ掛けよじ登って点検するんですが、高卒の同期もみんなバンバン竹梯子を担ぎ上げられるのに、僕だけできず仕舞い。

「まっ、いいよ。杉山くんは本社で頑張んなよ」って、逆に先輩に励まされまして。

出入りの業者さんの話では、他の鉄道会社の人は、細いことを気にする人がけっこういるそうです。でも、うちは下町と港町と漁師町を走る鉄道ですから、現場の先輩は“アニキ!”という感じで人柄もおおらかです。

ただ現場で思ったことは、勉強会みたいなものがもっとあったらいいなということ。機器がこの数値を越えると、異常だとみんなわかっているのですが、なぜその数値を越えるとダメなのか。理論的に電気の仕組みとかをもっと理解していれば、仕事が今以上に楽しくなるはずです。

現場を約4年間経験して、ネクタイをして本社で働きはじめて半年が過ぎました。今の仕事は工事の設計や費用の見積もり、業者とやり取りして施工を見守る。先輩は40代のベテランばかりで設備に関しては、隅々まで知っています。怒られることはありませんが、「あれ、これ知らなかったの?」と、言われることが度々あって。勉強しなくてはならないことが山積みです。

おそらくメーカーに入っていたら学生時代と同様に、狭い分野の研究に取り込んでいたでしょう。電鉄会社は弱電の通信と電力線や変電所の強電と両方に携わります。電気がどのように世の中のためになっているのか、電気の役割全体を見られるところが面白い。将来的には学生時代に太陽電池をやっていたので、電車の省力化が気になりますね。

取材・文/根岸康雄

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