■連載/あるあるビジネス処方箋
50代になると、会社員は完全に3極化する。社長や役員になる、いわゆるトップエリート。管理職で定年を迎えるグループ。そして、管理職になることもできない人たちだ。
20~40代の社員にとって、特に煙たいのは、管理職で定年を迎えるグループの中で、昇格が遅れたり、上にはもう上がれない人だ。管理職になることもできない人は視界には入らないのかもしれない。
今回は、20~40代の社員から嫌われ、総スカンになる50代の社員の特徴について考えたい。反面教師として参考にしていただきたい。
■虚勢をはる
50代に限らず、20~40代でも、同世代の社員と比べ、昇進・昇格が遅れている社員は程度の違いはあれ、コンプレックスを抱え込む。だから、何らかの機会を通じて自分を大きく見せようとする。たとえば、会議でわざと難しく説明をしたり、専門用語や業界用語などを使う。50代で昇格が遅れている人は、そこに悲壮感が漂う。
50代の場合は、すでに同世代の中には役員などがいる。社長になっている人もいるかもしれない。ところが、自分は課長や、部下が数人しかいない部長でしかない。そこで必死に虚勢を張り、大きく見せようとする。しかし、そのような材料がない。つまりは、希望に満ちた未来がないのだ。
それも無理はない。60歳の定年まで10年を切り、もう、上に上がる可能性が低い。せいぜい、1ランク上にしか上がれない。だから、どこか、自信がない雰囲気を漂わせつつ、虚勢を張る。その姿は、会社員の悲哀そのものだ。20~40代の社員は、そこに「今までさんざんと下を抑えつけてきたのに往生際が悪い…」と不愉快なものを感じ取るのだ。
■「余裕」を演出する
50代で昇格が遅れているのに気にしていない、といったそぶりをする。しかし、その演出が、一段と悲壮感を感じさせる。素直に同世代のエリート層や出世グループを認め、称えるならばある意味でかわいい。下の世代も、ある程度は認めるかもしれない。ところが、そんなかわいさはない。あたかも自分はそのような競争とは無縁だったと言わんばかりのパフォーマンスをする。だから、反感を招く。20~40代の社員は、その世代間での競争に参加している。皆が闘っている中で、ひとりで評論家のような言動をとることがいかに不愉快であるかを感じ取っていない。