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釣りバカ定年オヤジ3人組が釣り上げた4.4kgの大ヒラメ

2017.11.09

 この3月に岡野さんは3.5キロ、僕は3.4キロを釣ったが、それらより一回り以上大きい。白井さんの出すタモに収まったのは、4.4キロのビッグサイズ。「岡野さん、おめでとう」と祝いつつも、本音はちょっと悔しい。でも時刻はまだ9時だ。開始早々に4.6キロが上がっているし、大物を釣るための時間もチャンスもたっぷりある。

 と余裕に構えたが、その後もさっぱりあたらない。船中少しずつ、ヒラメ0匹の釣り人が減って来るが、僕は釣れないまま時がすぎる。見かねた白井さんが、指導に乗り出す。まずは、“イワシを海底に落とす時、サミングをしてはいけない”。前日の釣り談義で出た正林セオリーの真逆だ。サミングすると餌が落ちる速度が遅くなり、イナダが食って来て無駄に時間を費やす可能性が高まる、という理屈だ。

 これはこれで説得力がある。どっちも正しいような気がするが、このあたりが釣りの奥の深いところだ。次に捨て糸(錘を吊るすための糸)を短くしてくれた。なぜそうするといいのかは聞き忘れたが、イワシの泳ぐ範囲が広くなり、よりイワシがヒラメの目にとまる確率が増すということだろうか? そして驚いたことに、捨て糸を短くして初めての投入でアタリ到来、ソゲながら本命を釣ることができた。

 さらなる白井さんのアドバイスは、まさに目からウロコだった。ウン10年前に釣り雑誌で「ヒラメの前アタリが来たら、ヒラメに違和感を感じさせルコとなくイワシを飲み込ませるために、竿先を海中まで下げて待つ」というアドバイスを読み、以降ずっとそうしてきた。そのやり方で、そこそこは釣ってきた。だが正林さんは次々と釣るのに僕は釣れず、またアタリがあっても前アタリだけでヒラメは食い込まず、やがて前アタリもなくなるということがしばしばあった。

 白井さん曰く「竿を下げたらリールとヒラメの綱引きになって、違和感を感じたヒラメは食い込まない。前アタリが来ても、竿は海面に平行な状態を保って竿の弾力を生かし、食い込みを待つ」。言われてみれば、その通りだ。竿を下げて竿とラインが一直線になれば、まさに綱引き。ヒラメは口を離してしまう。思い起こせばウン10年前のヒラメ竿といえば3メートル級の長竿が主流、現在の2メートル級の長さの竿とはセオリーが異なるということだろう。

 このアドバイスを守りながら釣り続けるも、アタリのないまま納竿(釣りタイム終了)の時を迎えた。岡野さん3枚、正林さん2枚、僕が1枚、岡野さんの大ヒラメ以外はいずれも小型。リールのデビューの日としては不本意な結果だったが、いい日があればよくない日もあるから釣りは面白いので、致し方ない。

 こういう貧果の日にも、一つだけいいことがある。魚の数が少ないので、おろす手間がかからない。匂いがついたウエアの洗濯や海水を浴びた道具のメンテナンスは、帰宅後速やかに行うのが鉄則だが、なかなか厄介で1時間では終わらない。この後に魚をおろすのは、数が多いと面倒だ。ただしこれからは現役時代とは違い、たっぷり時間がある。当日は内臓の処理だけとし、3枚あるいは5枚におろして料理するのは翌日でもいい。これからは、釣れすぎて困ることもないのだ。あ、負け惜しみの理由が一つ減るか…。

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