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ドラえもんが現代アートに!?見どころ満載の「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」

2017.11.08

◆渡邊希「タイムドラベル」
(漆、麻布、乾漆)

渡邊さん「依頼を受けたとき、私の役割は“漆黒”で異次元を表現することだと思い、タイムマシンを体験できる作品を作った。仏像を作る技法と同じ乾漆を用いて制作。漆黒の鏡面仕上げになっており、その上につや消しに精製した漆で一筆ずつドラえもんのモチーフを描いている」

◆中里勇太「選んだゆめときぼう」
(クスノキ、彩色)

山下教授「おととし初個展を開いたとき、中里さんのことはすぐに雑誌に紹介した。今回本格的な木彫作品を作って欲しいと制作を依頼した」

中里さん「映画の中で自分が好きなものを選んで作ってもらえればということだったが、意識してドラえもんを見ていたことはなくて、テレビアニメで流れているものを見ていた世代。今回のモチーフは『のび太の日本誕生』という映画に出てくる3匹の架空動物のひとつのペガ。子どものころ、夏休みになるとテレビで劇場版が流れていたのを見ていて、小さいころ好きだった話だったので、この映画のペガサスを作ることにした。

 ペガを選んだのはのび太がとくにペガを可愛がっているイメージがあったから。ペガに乗って空を飛んでいるシーンもあって、爽やかなイメージがあり、希望に満ちていてこれから始まるというドラえもんの世界観を象徴するようなモチーフだと。目の部分は木で彫って油絵具で着色を施している」

◆坂本友由「僕らはいつごろ大人になるんだろう」
(キャンバス、アクリル)

山下教授「今回、最も驚かされた作品のひとつ。成熟したしずかちゃんの姿を描いている。虹がさっとかかっているのがポイントで、よく見ると、一番下にドラえもんの後頭部がある。精緻な絵肌でアクリルならではの絵肌ができあがったのではないか」

坂本さん「映画というテーマをもらったので(『のび太の宇宙小戦争(リトル・スター・ウォーズ)』)、出来るだけ原作に忠実になろうと、抽象的な部分は補完しつつ描いた。しずかちゃんといえばピンク色のイメージだが、映画の服とは違い原作にあったコマの衣装にできるだけ寄せた。色味は自分で想像して作ったもの」

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