商談や顧客とのコミュニケーションにおいて、相手を説得したり、商品を購入してもらったりするためには、あるコツがある。それは、相手の心をつかんで納得させた上で、「イエス」と言わせることである。
相手から自然に「イエス」を引き出す方法や、相手との信頼関係が素早く築ける方法を追求してみよう。
■相手と信頼関係を築き「イエス」と言わせるには?
営業の商談や重要な接客などに望む際、多くの人が「相手をちゃんと説得させられるだろうか」と不安になることだろう。もちろん、無理に相手をねじ伏せることが勝ちではなく、相手が心を開き、本当の意味で納得した上で「イエス」と言ってくれることが本当の勝ちである。
そして多くの営業ノウハウ本などでは、「まずは相手と信頼関係を築くことが営業の基本だ」というのが定説だ。
では、実際にどうすれば確実に相手と信頼関係を築くことができ、相手が心を開いて真に納得してもらった上で「イエス」と言わせることができるだろうか。そのテクニックを2つピックアップして紹介する。
■相手を「イエス」と言わせる方法~イエス・セット話法
まずは相手をイエスと言わせる方法「イエス・セット話法」である。これは、心理学のカウンセリングなどでよく使われる手法だ。
相手が「イエス」と答えやすい質問を立て続けにし、相手に「イエス」と連続で言わせる。そして最終的に、目標である事柄に対して「イエス」と言わせてしまうのだ。
例
自分「最近、随分寒くなってきましたね」
相手「はい」
自分「そろそろコートが欲しくなってきますね」
相手「はい、そうですね」
自分「コートは何着あってもいいですよね」
相手「はい」
自分「今年はこの色と素材のコートが流行っているらしいですよ。かっこいいですよね」
相手「はい」
自分「でもちょっとお高いですね。代わりに似た色と素材でちょっとお安めのこんなコートもあるんですよ。買いですよね」
相手「はい、そうですね。こちらを買います」
このように、相手に同調を何度もさせることで、心理的なバリアが解かれ、いつのまにか二人は共感し合う間柄になる。さらに、人は同意し続けていると反論しにくくなるという心理効果もあり、なぜか最後もイエスと言ってしまうのだ。