〝お得なモーニング〟で有名な、名古屋で誕生した喫茶店文化を受け継ぐ『コメダ珈琲店』が元気だ。伝統的な喫茶店スタイルで、世代を問わず全国にファンを増やしている、その秘密を探ってみた。
■ブレンドコーヒーとシロノワールのコメダ無双!
生地を64層に折りたたんだ丸いデニッシュパンをふんわりと焼き、上からソフトクリームをトッピングした「シロノワール」。1977年に生まれたコメダの看板メニューだ。
「コメダは50年間積み重ねたこだわりでできています」
山小屋風の外観でおなじみの『コメダ珈琲店』は、来年で創業50周年を迎える、名古屋発祥の老舗喫茶店だ。スタバやドトールといったセルフ型カフェが増える中、コメダは今も店員がオーダーを取り席までメニューを運ぶフルサービス型にこだわり、全国44都道府県に760店舗超、中国・上海にも2店舗を展開する巨大コーヒーチェーンに成長した。なぜ今、古き良き昭和流喫茶店が愛されるのだろうか。
「名古屋は喫茶店の激戦区であり、一度来店されたお客様にまた来ていただくため、創業時から様々な工夫が凝らされてきました。〝くつろぐ、いちばんいいところ〟という理念がコメダイズムとして受け継がれ、それが愛される魅力になっていると考えています」(コメダ 経営戦略本部・清水大樹さん)
コメダイズムには基本というべき大きな2軸がある。その1つめが、自宅のリビングにいるようにくつろげる独自の空間作り。
2つめが、徹底した味の追求である。
「コーヒーへのこだわりはもちろんですが、パンも最高級の小麦粉を使い、自社工場で生産しています。メニューによって厚さを変えているパンのカットなどを店で行なっていることもこだわりのひとつですね。工場でカットまで行なうほうが、コストや店の負担が減るのですが、配送中に風味が落ちるため、店舗でひと手間かけて、仕上げています」(清水さん)
こうした小さいこだわりの積み重ねが〝また来たい〟と思わせるお店作りへつながっている。
コメダ
経営戦略本部 企画部広報グループ 課長
清水大樹さん
「3世代でご来店される方も増え、うれしい限りです。今後も年代を問わず満足していただける店作りを進めていきたいですね」