シウマイの包装ラインを見学したのち、今回新しく追加、増設されたシウマイ弁当の製造ライン見学に移っていく。1954年に誕生した崎陽軒のシウマイ弁当だが、これまでおかず、掛け紙などを更新しつつ、今日まで大人気を博してきたシウマイ弁当はいわば駅弁の歴史を語る上でも欠かせない存在だ。弁当製造ラインの見学コースはそんな駅弁の歴史の解説から始まり、鉄道と食文化の背景にも少し触れることができる。その後、シウマイ弁当のおかずのラインナップをおさらいし、実際の製造ラインの見学という流れだ。ちなみに主に見学できるのはシウマイ弁当の最後の詰め作業と紐かけの工程となっている。
いよいよシウマイ弁当の詰め作業ラインを見てみると思わず「すごい!」と見学者から声があがった。まず目の前に飛び込んでくるのはずらりと並んだ作業員さんの姿! なんとシウマイ弁当の詰めこみ作業はほぼすべて手作業で、作業されている方々が工程、おかずごとにずらっと一列に並び、素早くかつていねいにおかずやごはんが詰めているのだ。この様子はまさに圧巻!
前回に続いて今回もご案内いただいた広報の高井さんによると「おかずによって詰める難易度も変わってきます。一番難しいのは左上に入っている切り昆布と千切り生姜の工程で、お箸を持った手で昆布を運びつつ、反対の手で狭いスペースにきれいに詰めていくという工程をすばやく行わないといけないため、ベテランが担当することが多いです。また、鮪の照り焼もそっと持たないと身が崩れやすいんです」と教えてくれた。具材の配置などは、繊細な作業ということでどうしても詰め作業は機械化がむずかしいそう。「また、シウマイもポイントがありまして、ラインの最後にしょうゆとからしを入れるのですが、このスペースを意識した上でつめなくてはいけないんです」と高井さん。素早い作業の中にも細かな気配りを感じることができる光景だ。逆に比較的詰める難易度が低いおかずは? と尋ねると「鶏唐揚げでしょうか。私も研修でつめていましたよ」とにこりと語った。
おかずを詰める順序を説明してくれる巨大シウマイ弁当と広報高井さん