【さとうみつろうのサラリーマン相談室】テキパキ仕事をこなす人とダラダラしている人の給料が同じなのは納得できません。
——営繕係休憩室。それは、あなたの会社の中にある秘密の扉。会社の中で、あなた以外は誰も知らない秘密の部屋。悩んだら、いつでもおいで。悩みがなくても、遊びにおいで。さぁ、今日もひとりのサラリーマンがその扉のノブに、そっと手を伸ばしたようです。
【今週のサラリーマン相談】
自分は残業したくないから、テキパキと仕事をこなすタイプです。でもそうすると上司には余裕があると思われて、さらに仕事をふられてしまいます。隣の席の先輩は、ダラダラと適当に仕事をこなして、定時退社。仕事量はこっちのほうが多いのに、同じ給料とは納得いきません。
サラリーマン及川(入社10年目、33歳、広告代理店勤務、東京都)
営繕のみつさん(以下、みつさん)「ところで君は、ウサイン・ボルトとどっちが足が速かったっけ?」
サラリーマン及川(以下、及川)「比べるまでもないじゃないですか。何の話ですかこれ?『ところで』の使い方から学び直したほうがいいですよ」
みつさん「君は今、こう言った。『比べるまでもない』と。要するに、比べるか比べないかは君次第だと。どうしてボルトと足の速さを比べない?」
及川「だから、比べる意味がないからです」
みつさん「違う。君がボルトと足の速さを比べないのは、自分像を壊さないためだ。いいかい、どうして他人と自分を比べるのかと言うと、セルフイメージを創り上げるためなんだよ。この世界では、誰かと比べない限り、絶対に自分の特性を言えないからね」
及川「まぁ、そうですね。誰かと比べない限り、自分の身長が『高い』のか『低い』のかは言えないですし、給料が『高い』か『安い』かもやはり頭の中で、平均年収とかと比べていますもんね」
みつさん「要するに、
1. セルフイメージは他人を使わないと構築できない。
2. そして、誰と比べるかは自分で勝手に選んでいる。
さぁ、この2つから何が言える?」
及川「えーっと、自分が好きな他人を選んできて、それと比べることで自分像を創り上げているのだから……。そうか。結局は、自分で、自分が好きなように、自分像を創り上げているということか」
みつさん「そうさ。君は、隣の席の先輩と比べることで『自分像』を創り上げている。本当は、心の中で誰と比べてもいいのだから、隣の部署のバリバリエリート社員と比べてもいいはずだろ?」
及川「確かにそうですね。比べようと思えば、隣の営業部の鈴木先輩と比べることもできるし、彼と比べると自分なんてまだまだです」
みつさん「君は、セルフイメージを創り上げるために隣の席の先輩を選んだ。どんなセルフイメージを創りたかったと思う?」