■「あんな頭に私がしたらどうする?」 世間の好奇の目は自分の鏡だった
丸坊主にしてすぐに入ったコンビニは、カフェが併設されているのだが、そこに30代のカップルが座っていた。女性側のほうが先に私に気が付いて、「あの人、すごい。あんな頭に私がしたらどうする?」と男性側に話しかけていた。ほかにも坊主頭を晒していると、見知らぬ複数のカップルに指をさして、驚かれて笑われた。“女性は好きな男性と一緒にいると、無意識に自分の優位性を誇示する”というのは長年の女性取材からわかっていたが、いざ目の当たりにすると、心にダメージを受ける。この対象になりやすいのは、肥満体型、奇抜な服やメイクの女性だ。
実際に筆者自身も、好きな男と一緒にいると、「ねえ、私があんなにブクブク太ったらどうする?」「あんなロリ服を着てデートに来たらどうする?」などこっそり話していたことを思い出した。
あとよくあった反応は、病気の有無の確認、出家したかどうかの確認だ。電車の中で見知らぬおばさまから、「大変だけど、がんばってね」という内容で声をかけられたことが何度もあった。
3日後の筆者。パンツスタイルで自宅近くのソープ街・吉原を歩くと、黒服の方によく声をかけられた。
■淡い好意を感じていたであろう男性から、一切の連絡が来なくなった
この頭にして気が付いたことは、ストーカー被害などに苦しんでいる女性は、一時的に丸坊主にしてはいかがだろうかという提案だ。ストーカーをテーマに取材をしたことがあるが、かなりハードだが気分転換にもなる。
筆者自身も、複数の男性から飲み会のオファーを何度かいただいていたのだが、坊主頭にしたとたん、一切の誘いどころか、連絡が来なくなった。恋の土俵において、見た目は100%の力を発揮する。好意を寄せてくれる男性が減ると、それでさみしいものだと思う、浅ましい気持ちがあることがわかった。
坊主以前は、筆者自身が誘って、男性と二人で飲みに行くことも多かったが、恋愛フィールドにおける見た目のコンプレックスから一切自分から誘うこともできず、誘われても「髪が伸びた4か月後にしてほしい」と返信する始末。