■カレーに合うお米の炊き方のコツ!
とはいえ、今、家にあるお米はコシヒカリ系でどちらかといえばもっちり、ふっくら系のお米という家庭のほうが多いのではないだろうか。今回紹介してもらったカレーに合う品種は次の機会に試してみるとして、今回は、コシヒカリのようなもっちり系のお米を、カレー用に美味しく炊くためのコツを澁谷さんに教えてもらった。
「カレーとの相性を良くするには、ただ水分を少なくして硬く炊けばいいわけではありません。大切なのは、“水分を吸収しにくい”ご飯にすることです」
●ポイント1 芯が残らないよう水加減は1:0.9。浸水時間は30分に。
「お米を美味しく炊くための水加減は、お米:水=1:1ですので、カレー炊きの場合には、水加減はやや減らして1:0.9などにしましょう。浸水時間は通常、夏は30分以上、冬は1~2時間が目安ですが、カレー炊きの場合は30分程度にとどめます。浸水時間を減らすと、その分、甘みと水っぽさが引き出される度合いを軽減できるからです」
●ポイント2 炊き上がった後は5分蒸らして一度かき混ぜ、ふたを開けたまま2~3分放置する。
「蒸らし時間は5分に短縮してみてください。その後、すぐにふたをあけて、しゃもじで十字にご飯を切り、底からひっくり返すように混ぜます。そして、炊飯器のふたを開けたまま、2~3分放置して蒸気を逃がしましょう。こうしてご飯を空気に触れさせると、表面に膜ができ、余分な水分を吸収しにくくさせることができます。食感にも弾力が出ますよ。」
●軽くお米を炒める
「もし、油なしでも焦げ付かないテフロン加工のフライパンをお持ちであれば、石焼ビビンバのイメージで、炊き上がったお米を、油を使わずに軽く炒めてみましょう。パラッとした食感になりますし、香ばしさも出て、カレーと絶妙に合いますよ」
カレーのご飯は奥が深い。ぜひこれらの米選びと米炊きのテクニックを活用して、ワンランク上のカレーライスを味わってみてはいかがだろうか?
澁谷梨絵
日本で唯一の穀物のプロフェッショナル資格(5ツ星お米マイスター、ごはんソムリエ、雑穀エキスパート、薬膳インストラクター、雑穀マイスター、発酵食スペシャリスト)を持つ女性米屋。全国各地を自身で歩いて探し出したこだわり米を百貨店で販売し、且つ、女性の目線で日本人古来の米が持つヌカや麹の発酵技術を使った弁当・お惣菜を販売。米・雑穀・麹の第一人者。
取材・文/石原亜香利
※記事内のデータ等については取材時のものです。