【AJの読み】ふかふかのじゅうたんは思わず寝ころびたくなる
オリエンタルカーペット社内には絵画や書、能面など、手織緞通の技法を応用した「織画」が飾られていた。職人の技術を落とさないために始めたとのことだが、ぼかしや落款、水墨画など、じゅうたんで作られているとは思えないほどの見事な質感と表現だ。製作販売も行っており、写真や絵などをもとに額装できる世界でたったひとつの「織画」をオーダーすることも可能。
自宅は全室フローリングなので、ラグはリビングの一部にしか使っておらず、じゅうたんにはあまり縁がなかったが、山形の工場を訪ねて、同社のふかふかのじゅうたんに寝転んでみると、とても気持ちのいい感触だった。土足で上がる海外のじゅうたん環境と違って、直接座ったり、寝転んだりできるのが日本のじゅうたんの特徴でもあるが、山形緞通は感触の良さや艶感を存分に楽しめる、まさに日本のじゅうたんの代表格だろう。手織のじゅうたんはとても手が届くものではないが、手刺なら30~40代でもなんとか手が届く価格。メンテナンスを行えば手刺でも20~30年と長く使えるので、結果的にはお得な買い物になるかも。
文/阿部 純子
■連載/阿部純子のトレンド探検隊