■優先順位で仕分けする
朝出社して、もしくは通勤中にやるのは「仕分け作業」です。重要なメールを放置して、優先度の低いメールに時間を取られるのは効率が悪いからです。まず、未読メールをチェックして、優先度の高いものにフラグを付けます。緊急案件以外はまだここで返信しません。別途時間をかけて処理するものはタスク(To Do)リストへ移動しておきます。まずは未読メールの全体像とその日の作業を把握してください。
チェックするメールの量を減らすために、優先度の低いメールを自動的に除けておきましょう。迷惑メールフィルター(もしくは迷惑メール対策サービス)は必ず使用してください。ダイレクトメールや嫌がらせのメールを自動的に専用のフォルダ等に自動的に振り分けるものです。社員が迷惑メールの削除を手作業で30分以上かけている日本企業がまだまだ多いです。
また、「フォルダ振り分け」を活用してください。キーワードや送信元などでフィルターをかけて特定のフォルダに移動しておき、後でまとめてチェックします。このような一連のルーチンワークはメールソフトやAIを使ってなるべく自動化しましょう。例えば、企業向けOffice 365というクラウドサービスでは、AIがメールの傾向や過去の動作を分析して、重要そうなメールを「優先受信トレイ」に仕分けしてくれます(図2)。
それに該当しないメールは「その他」に振り分けられます。またOutlookなどのメールソフトでは、自分がTo(宛先)に入っているのか、Cc(参考・情報共有)に入っているのかによって「色分け」してくれるので、Toを優先してチェックして、Ccを後で見る、といった効率的な処理が容易にできます。
次回は、メール送信のコツ、メールに依存しない働き方について記載しようと思います。
〈図2:「優先受信トレイ」に表示されるメールは、メールの内容と、ユーザーが頻繁にやり取りする相手に基づいて判断されます。〉
文/越川 慎司
株式会社クロスリバー社長。元マイクロソフト役員でofficeビジネスの責任者。2017年に起業し、企業の働き方改革や海外進出を支援。週休3日で新しい働き方を実践中。
『新しい働き方~幸せと成果を両立するモダンワークスタイルのすすめ~』著