第1回/働き方改革は空から降ってこない
「働き方改革」というキーワードを聞く機会が増えていると思いますが、何をすべきなのか分からない方も多いでしょう。ただ単に残業を減らせばよいというものではなく、テレワークだけをすればよいというものでもありません。「働き方改革」は手段であって、目的ではありません。目指すべき目標は会社(団体)の成長と、社員個人の幸せです。「働き方改革」自体を目的にしてしまう企業は、人事制度やITシステムを整備したものの利用者が限定的で成果が出ません。
また、「働き方改革」は自然と空から降ってくるものではなく、会社が一方的に行うものでもありません。個人が積極的に取り組むことで、新たな自由と行動の選択肢を得て、「働きがい」や「幸せ」を手にすることができます。個人レベルでできる「働き方改革」は、目標達成に向けてショートカットする(近道で進む)ことです。ムダなことをしないで、やるべきことを効率的にサッサと片付けてしまうのです。
■メールに追われてはいけない
皆さんは、一日に何通のメールを処理しますか。メールのチェック、返信で追われていませんか?少し古い統計ですが、10年間でメールの流通量は6倍に跳ね上がっているそうです。(図1)大量のメールに埋もれて大切な情報を見落とす、もしくは情報の検索に時間がかかるなど、大量のデータに埋もれると、働き手の生産性は落ちてしまうのです。メールの処理も目的を達成するための手段の一つです。サッサと効率的に片付けてしまいましょう。
〈図1:電子メールによる通信量の変化(総務省 情報通信白書 平成27年版より)〉
私は、マイクロソフトでメール関連のビジネス(OutlookやExchange、Office 365など)担当の役員をしていました。世界中のユーザーの使い方を見てきましたし、また自分自身も毎日700通程度の受信メールを処理していましたので、そこで学んだ効率的な処理方法をお伝えします。
■メール処理はじめ
メールを受信した順に処理をしてしまうと、本来の目的達成にショートカットできません。売り上げを生む重要なお客様のメールはすぐに処理すべきですし、感情的なメールのやり取りで時間とエネルギーを使うのももったいないです。限られた時間内で成果を残す為には「ルール作り」が重要です。自分にとって、会社にとって目的は何か、目的達成に最も効果的な手段は何か、緊急度が高いものは何か・・・をしっかり念頭に置いて、メール処理の優先順位を付けるのです。