■丸坊主にしたら、暑いわ寒いわで大変だった!
当日も決心は揺らいでいたものの、“今坊主頭にしたらウケる”と思い、ウキウキしながらヘアサロンに行った。10年近い付き合いになる美容師さんは、私のある程度の性格を知っている。事前にSNSを通じて坊主頭にしてほしいことは伝えていたので準備万端だろう。
シャンプーをされながら、濡れた髪の重さを感じ、そこにずしりと生々しい女が宿っているように感じた。これをスッパリ切ると思うと、気分がふわふわと浮き立つように感じた。
美容師さんはキャリアが長い人だが、女性の髪を切るのは初めてだという。直接バリカンを入れず、ショートに整えてからバリカンを入れる予定だったようだが、「もうひとおもいにいっちゃってください」伝えると、3mmにセットしてばりばりと刈り、5分もせずに丸坊主になった。そこから20分以上かけて、頭の形に合わせて毛先を微調整。全体的な髪の長さは2mm程度になった。
頭を刈った直後の私。これから頭の形に合わせて全体を切り、微調整をする。
会計を済ませて店を出ると、初夏の太陽が頭を直撃。暑い……ものすごく暑い。あわててコンビニに駆け込むと、冷房が頭を直撃して寒い。骨の髄まで冷えていくことが実感できた。薄毛の男性が帽子をかぶるのは、隠したいからではない。外気が辛いからだと痛感した。とにかく寒いし暑いし辛いのだ。それで帽子が欲しくなるけれど、コンビニには頭に巻けるものは売っていない。これから坊主頭になろうとする女性がいるかどうかわからないけれど、美容院に行く前に帽子を用意したほうがいい。そこで私はコンビニを出てタクシーを拾い、一番近いデパートに帽子を求めに駆け込んだ。
40女が坊主頭になった周囲の反応は? 思いもよらぬ変化とは? その2へ続く
PROFILE
沢木文・東京都生まれ、大学在学中から編集・ライターとして『プチセブン』『CanCam』などで、“お金”“恋愛”などをテーマにした記事を作成。以降約20年間、女性誌を中心に活動。『東洋経済オンライン』『しごとなでしこ』などのWeb媒体でも執筆。著書に『貧困女子のリアル』(小学館新書)、『不倫女子のリアル』(小学館新書)がある。