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40歳の女性ライターが坊主頭にした理由

2017.08.06

■嫌がる男性に迫り失恋、女の一時停止がしたい……そうだ、坊主頭になってみよう!

私は男性と飲みながら色っぽい話をして、恋の駆け引きをにおわせるコミュニケーションをとり、フワフワした気持ちを味わうことが大好きだった。しかし、30代後半ごろから、そういう相手が激減してきたのを感じた。人間は同じレイヤーの人といると心地よさを感じるという。かつてフワフワとした気持ちを味わう会話をしてきた男性と、仕事の話ばかりするようになり、それが恋愛的な会話よりも楽しく高い充実感を味わうようになっていった。

39歳の1年間は、それなのに、自分の女の機能を使いたくて、嫌がる男性に無理やり迫るなどみっともない経験を繰り返したが全く後悔はない。あのときの衝動とエネルギーは今もはっきりと残っている。もう終わったと感じた夜、かなり酔いJR神田駅から自宅まで2000m程度の道を歩きながら、“そうだ、坊主頭になってみよう”とひらめいた。あのときにパーッと視界が開けたような気がした。もう、ノリで坊主頭になったといってもいい。

思えば、恋をしていた3年間、女になろうと思って髪を伸ばし、体重管理をし、服を買う時にも相手を思い出していた。昔から女は失恋すると髪を切るという。髪には歳月と未練、女の業が宿ると本能的に感じているからではないか。

そこで、翌日、10年ほど通っている美容院に予約を入れたら人気のあまり予約は2か月後。この間、決心が揺らがぬように、周囲の人に「再来月に坊主になるの」と吹聴しまくっていた。そうでもしないと、丸坊主になれる自信がなかったからだ。

美容院を予約し、決心した2か月の間、女であるうちに機能を使ってみたいと同世代男子をデートに誘うも、楽しい飲み会になって修了した。期限を決めて自分を追い込んでも、切実さがないと恋愛行為は成就しないのだ。

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