4.椅子からの立ち上がり方
「右足を半足退き、右足に重心を置きながら、頭のてっぺんから腰をまっすぐにして立ち上がります」
5.歩き方
「内股にしないのが正解です。内またにするとくねくねして、上半身が安定しません。進む方向へ向かって、地面に一本の線がまっすぐ前に伸びているのをイメージして、その線の両脇を左右の足でまっすぐに歩み進めていきます。男性は、少々つま先が外に開いてもいいです」
6.立ちポーズ
「内股にしすぎないこと。右足を半足引き、ほんのすこし左足を内側に。男性はかかと、つま先が開いていていいです」
7.タクシー、車の乗り方
「両足をそろえ、お尻から乗り込んで座り、その後でそろえた両足を一緒に車の中におさめます。後ろの帯が崩れてしまうので、シートに背中をもたれないよう気をつけましょう」
ところで、浴衣を着て花火大会の会場へ向かうときなどには電車に乗ることもあるし、携帯電話で電話をかけたりすることも当然ある。そんなとき、意外と盲点になりがちなことがあるという。西出さんと共にドラマなどのマナーや所作指導を行っている、マナー講師の類家三枝子さんは次のように教える。
「電車のつり革を掴んだり、携帯電話で話をしたりするときなど、腕を上げる際、そのまま上げてしまうと袖口があらわになってしまいます。そんなときには、もう片方の手で、上げた腕の袖口をさりげなく押さえるといいでしょう。奥ゆかしさも演出され、エレガントです。こうしてみっともない姿を見せないことも相手に対するマナーです」
(取材協力)
マナーコンサルタント 美道家 西出 ひろ子さん
マナーは互いの幸せにある、という真心マナーとおもてなし礼法を伝えるマナー界のカリスマ。企業の人財育成、コンサルティングをはじめ、テーブルマナーや冠婚葬祭のマナーなど、マナーのすべての精通。その活躍は、海外にもおよび、多くのメディアでも紹介される。NHK大河ドラマや映画、テレビ番組などで、多くの女優や俳優、タレントにマナー指導をおこなっている。著書は国内外で70冊以上、著者累計100万部を突破。
ヒロコマナーグループ http://www.erh27.com
マナー講師 類家 三枝子さん
ビジネスマナーをはじめ、和のマナーに精通しているマナー講師。マナーコンサルタント 西出ひろ子に師事し、同氏と一緒に、テレビ番組やドラマの和の立ち居振る舞いや、和装シーンにおけるマナー指導および監修も行っている。また、水引や折形指導にも定評があり、季節や贈る相手に応じて、オリジナルな祝儀袋やポチ袋を気軽に自身で作れる講座も人気。ファストマナースクール http://fastmanner.com/
(着物マナー指導)
全日本きものコンサルタント協会会員・下玉利礼法きもの教室 代表 下玉利洋子さん
取材・文/石原亜香利