浴衣を着たときや、普段、暑いときなどに何気なく使用する「扇子」。その開き方やあおぎ方にはマナーがあるのを知っているだろうか。よりエレガントにあおぐ方法も合わせて知っておきたい。また、浴衣を着たときのエレガントな所作は、実地で役立つはずだ。
そんな扇子・浴衣マナーを、ドラマ「女の勲章」(フジテレビ)などのマナー指導を行っているマナーの専門家にレクチャーしてもらった。
■意外と迷惑な扇子 50cmは距離を空けるべき
NHK大河ドラマなどで、多くの女優や俳優たちにマナー指導を行っているマナーコンサルタントで美道家の西出ひろ子さんによれば、場所などによっては、扇子を使用しないほうがいい場合があるという。
「先日、電車で座っている男性が、扇子で顔をあおいでいたとき、隣に座っている人や前に立っている人が、迷惑そうな表情をしていました。風が当たっていましたし、パタパタとした小刻みな動きも、周囲の人は不快に感じている様子でした。
公共の乗り物やエレベーターなど、近くに人がいるときに扇子を使用するのは控えるのがいいでしょう。隣の人とは余裕をもって50cmほどの間隔を空けて使用することを心がけたいものです」
■両手で開くのがマナー 扇子の開き方
では、マナーある扇子の扱い方を知っておこう。まずは開く際の正しい所作だ。
西出ひろ子さんによると、日常生活で使用するときの扇子は、片手で開く場合と両手を使って開く場合があるという。
●片手で開く場合
「親指、人差し指、中指で、いわゆる『フレミングの右手の法則』の形を作り、閉じた扇子を人差し指と中指で挟み、親指は上から押さえます。そして親指を上にずらしながら扇子を開いていきます。ただ、片手で開くのはエレガントに見えないかもしれませんね」
●両手で開く場合
「エレガントさと同時に、マナーの観点からすると、扇子は両手に持ち、添えた片方の手で下の部分を自分に向かって開くのがいいでしょう。人様に危険にならず、迷惑をかけません」