◎ファッション界とのコラボで新たなステップへ
90年代頃から吉田カバンの製品はファッションアイテムとしても認知されていく。その流れを作ったのは「人気セレクトショップと一緒に仕事をするようになったことが大きいです」とデザイナーの松村さん。「それにユーザーも変わってきました。昔は3WAYバッグなんて持っていたら上司に怒られたかもしれませんが、今やファッションも通勤スタイルも柔軟になりました。そんな相乗効果もあり、うちの製品と時代がうまくマッチしてきたんだと思います」(デザイナー・長谷川さん)
地位を確立した後も彼らの商品はオートメーションに頼らず、職人の手作業で作られる。奇抜なファッション性に走ることなく、シンプルだが上質感があって丈夫な作り。常に職人や素材と対話しているからこそ、ブレない物づくりが守り続けられているのだ。
●2013年『タンカー』シリーズ30周年
ポーターの代表的なシリーズ『タンカー』。1983年発表から今もなお愛され続けるスタンダードモデル。こちらは『ブリーフケース(S)』1万5120円(税込み)の新色シルバーグレー。スーツにも似合い、ビジネスマンにも愛用者が多い。
1980年代後半の旧社屋裏手(右)。現在の本社ショールーム(左)。主力製品がずらりと並ぶ。