■皮膚科での治療と市販薬について
もしあせもができてしまって気になる場合、皮膚科ではどんな治療がされるのだろうか。
「あせもには『カラミンローション』という収斂剤(しゅうれんざい)を塗ると、だいたい解決します。もしかゆくなっている場合にはステロイド剤や炎症を止める塗り薬を塗ることもあります」
ところで、店頭ではあせもの市販薬も見かけるが、どのように付き合っていけばいいだろうか。
「市販の薬で治っている人もいるので、使ってみて症状が緩和するようなら問題ないでしょう。もし改善しないようなら、皮膚科に行ってください」
■梅雨の肌トラブルは他にも
ところで、梅雨の時期はあせもだけでなく、他の肌トラブルも起こりやすいという。
「気温が上がってくると、汗だけでなく皮脂の分泌も増えるため、ニキビもできやすくなります。あせもは汗の管がつまることでできるものですが、ニキビや吹き出物は脂肪の管がつまることでできることがあります。多湿の梅雨の時期は、汗や皮脂が大量に出ても、逃げどころがなくなってしまうため、管がつまってしまい、肌トラブルが起こりやすいのです。
また、皮脂が出過ぎると管が広がって毛穴が開くため、日光に当たって皮脂が酸化して黒くなり、黒ずみになることもあります」
梅雨の高温多湿の時期に汗をかいたら、できるだけ早めに乾かすことであせもは予防できる。
普段から着るものの素材や、着用の仕方にも気配りたい。
あせもに限らず、肌トラブルが起きて気になるようなら皮膚科に相談しよう。
(取材協力)
皮膚科医 蘇原 しのぶ(そはら しのぶ)先生
東海大学医学部卒業後、北里大学病院皮膚科、獨協医科大学病院皮膚科を経て、白斑専門の新宿皮フ科副院長。2016年にしのぶ皮膚科開業。皮膚科・皮膚外科歴13年。ヒアルロン酸、ボトックスマスター認定医、日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医。オールアバウト美と健康のガイドでもあり、「スッキリ」・「この差って何ですか?」等のメディア活動も精力的にこなしている。
http://shinobu-skincareclinic.jp/
取材・文/石原亜香利