■連載/阿部純子のトレンド探検隊
◆60年の歴史があるこだわりのコープ商品
日本生活協同組合連合会(日本生協連)の取り組みや新商品、人気製品を紹介する生協の組合員向けのイベント「CO・OP商品実感フェスタ」が開催され、全国から500人ほどが訪れた。会場では商品の試食会や、洗剤などの生活用品、化粧品などのデモンストレーションも行われ、商品に対する安全、安心意識が高い組合員も多く、熱心に担当者の話に耳を傾けていた。
日本生協連の設立は1951年。生協は利用者である消費者が出資して組合員となり意思決定や運営に参画するシステムで、宅配や店舗などの購買事業、共済事業、福祉事業、医療事業で構成されている。
安定的により安い商品の提供を目指して開発が始まったコープ商品は、1960年に高度成長期の物価高の中で日本生協連コープ商品第1号となる「CO・OP生協バター」を発売。1966年には組合員参加開発第1号となる衣料用洗剤「CO・OPソフト」、1969年には衣料用洗剤「CO・OPセフタ―」、1977年には化粧品「コープ基礎」を発売。洗剤や化粧品は中身やパッケージを変えながらブラッシュアップして現在も販売されている。また、子育て世代から年配者まで根強い人気を誇る野菜果実ジュース「ミックスキャロット」も発売から35年を迎えた。
ライフスタイルの変化で多様化する組合員の想いや声を受け止め、さらにコープ商品を良くしていこうと、2015年からブランド刷新をスタート。ブランドメッセージと「5つの約束」を打ち出した。コープ商品は約4500品目あるが、ばらばらだったデザインをコープラベルの中に商品名と商品コピーを収めて、マークも統一する形でリニューアル。2年が経過した現在は3109品まで切り替えが進んでいる(以下、価格はすべて税込参考価格)。
◆新しいマークがついた商品
ブランド刷新では組合員の要望が強かった「国産素材」、「産地指定」、「健康配慮」のマークを付けた。「健康配慮」のマークが付いた商品ではカップめん、おにぎりなどがある。7月に新発売される「焼おにぎり(塩分25%カット)」(213円)は、コープ商品の売れ筋でもある「焼おにぎり」を25%減塩した商品。国産のあきたこまちを使用した減塩おにぎりで、1個あたりの食塩相当量は0.3g。鉄板商品でもある焼おにぎりの味を変えることには議論があったそうだが、組合員の意見も入れて健康を重視した味付けにしたという。
忙しくても栄養バランスの良い食事を作りたいという願いに応えたのが「コープのかんたんレシピ」。マーク付きの商品は124品で、商品に付いたQRコードからクックパッドのサイトに飛び、家庭料理研究家の奥薗 壽子さんが作成したオリジナルレシピが見られる。乾物の使い方がわからないと悩む若い母親にも好評で、短時間で簡単にできるレシピが104件紹介されている。