心当たりがないのに、頭痛、めまい、胃痛といった不定愁訴に悩まされる。または、原因不明の腰痛やひざ痛が慢性化しているが、病院に行っても「問題なし」と診断される。地元の病院や整体院をたらい回しされて、やっとその根本的な原因はねこ背にあると気づく人が多い。
そこで、インターネットで「ねこ背、矯正」と検索して、セルフケアに努めている人もいるだろうが、もしかして、以下の方法をしていないだろうか?
◆床に手をついて、胸を張るエクササイズを繰り返す。
◆両腕を後ろに動かし、肩甲骨を寄せる運動をする。
◆常にあごを引くよう心掛ける。
これら3つのエクササイズは、ねこ背の目だった特徴を、手っ取り早く改善しようというもの。しかし、外観的にわかりやすい箇所をピンポイントで攻めても有効ではないと言うのが、『猫背専門治療院V-Style』の院長として、2万人以上のねこ背を治療してきた、小林篤史氏。
小林院長の近著『ねこ背は10秒で治せる!』(マキノ出版)によれば、骨盤こそが、ねこ背の元凶なのだという。健康な人であれば、体の前側と後ろ側の筋肉がバランスをとることで、骨盤はまっすぐ立っている。これが、毎日パソコンやスマホに長時間向かったり、ハイヒールをはくといったライフスタイルによって、バランスが崩れ、骨盤は前傾もしくは後傾する。そして、これに連動した変化が身体に生じた結果、ねこ背になるという。
そのため、ねこ背を矯正するためにまず必要なのが、骨盤の前傾・後傾をもとに戻すこと。そして、ねこ背の状態も正しい方法で改善することだと説く。
本書では骨盤・ねこ背の状態に応じたストレッチが紹介されており、どれも1日1回、ほんの10秒で終わる手軽なものとなっている。基本的には毎日行う必要があるが、最初の1回で目に見える変化を感じる人もいるくらい、効果が高い。
今回は、ねこ背の中でも多い、「骨盤前傾」で「顔出し型ねこ背」のタイプの人向けの方法を取り上げてみよう。