■名刺交換の際に効果的な雑談
ところで、名刺交換の際、しばしば雑談タイムに入ることもある。この雑談の内容はどんなものが好まれるのだろうか?
●名刺に書かれている情報をもとに話す
「せっかくならば、闇雲にダラダラと世間話をするより、いただいた名刺に書かれている情報をもとにコミュニケーションを取っていくほうが、相手に与える印象も良く、相手も話しやすくなります」
【名刺の情報をみるポイント】
・相手の名前(旧漢字や読みづらい苗字の方は会話のネタになる)
・所在地(最寄り駅はどこか、以前頻繁に通っていた場所など)
・ロゴマークや色、形、素材
「名刺情報で気づいたことを質問して、相手に話をさせることが大事です。最近では、名刺にあらかじめネタとなる情報を入れている名刺もあるので、そこに敏感に反応し、突破口にして会話をしてみてください。
ちなみに、『出身地・居住地・出身校・家族・好きな食べ物・スポーツ・趣味・資格』の8つの情報を、名刺のあらかじめ裏面に入れておくと、名刺交換が盛り上がりますよ」
●「キドニタテカケシ衣食住」で会話のきっかけをつかむ
「いわゆる『キドニタテカケシ衣食住』を起点にすると、会話のキッカケがつかめるといわれています。話のネタに困ったらこれも活用してみてください」
【キドニタテカケシ衣食住】
キ:気候や季節
ド:道楽(趣味や好きなもの)
ニ:ニュース
タ:旅
テ:テレビ
カ:家族・家庭
ケ:健康
シ:仕事
衣:衣服・ファッション
食:食事
住:住まい
■新しい名刺の形~香る名刺
最近は、こんな新しい名刺が使われ始めているという。
「記憶に残る名刺交換にするために、名刺に香りをつけるのが、ある意味トレンドになっています。最近では、名刺専用のお香(名刺香)も出ており、自分の好みに合わせて自由に名刺に香りをつけられます。
ある研究では“記憶と嗅覚はつながっている”ということが分かっているため、香りは相手に自分のことを覚えてもらうためにも使えます。名刺を見る『視覚』、名刺を持つ『触覚』に加えて、いい香りで相手の『嗅覚』も刺激することで、ダイナミックな名刺交換が可能になるでしょう。
ちなみに私はバラの名刺香を使っています。最近では、飲食店の方向けに、餃子やカレーの香りもつけられるようになっています」
名刺交換に慣れているという人も、ちょっとマナーを見直してみたり、名刺交換をコミュニケーション活性の場としてとらえ直したりしてみるのもいいかもしれない。
(取材協力)
福田 剛大さん
仕事が取れる名刺の専門家。
話ベタな営業マンや個人事業主を中心に「その場で仕事が取れる絶対受注名刺」をテーマにした講演・セミナー活動を行う。「マツコの知らない世界」を始め、名刺のスペシャリストとしてマスコミ取材多数。
http://shunkan-dentatsu.com
取材・文/石原亜香利