この頃から、サムスンは後発メーカーではなく、先進技術を備えたメーカーへと躍進していく。2000年代以降は薄型大画面テレビを続々開発し、さらにはOLEDで続伸し、今や家電メーカーで世界トップの企業へと上り詰めることになる。
サムスンは、2016年秋にGalaxy Note7のバッテリー焼損、2017年には現職大統領の罷免にまつわる政界スキャンダルに巻き込まれるなど、成長にブレーキがかかりかねない重大事件が続発した。にもかかわらず、サムスン電子の2017年第1四半期決算は、売上高が前年同期比2%増の50兆5500億ウォン(約5兆500億円)、純利益は同46.2%増の7兆6800億ウォン(約7600億円)と好調だった。
この決算数字を通年換算すると、売上高が20兆2000億円となり、下降の懸念を払拭したカタチだ。主に半導体の好調が主因とされるが、新型Galaxy S8/S8+の発売など、好材料が続く。
1980年代後半から突っ走ってきたサムスン。成長の勢いは今だ衰えずといったところだろうか? 業績好調を受け、先進的かつ個性的な新製品が登場することを、今後も期待したい。
文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)
モノ情報誌の編集を長年手掛け、スマートフォン、家電製品全般、クルマ、フード、ファッションなど「モノトレンド」を手広くWatchする。ファイナンシャルプランナー資格も保有。