医師に聞く「寝起き臭」の予防策

■寝起き時の汗臭・体臭はなぜ出る？

秋葉原F2クリニックの院長　櫻井泉先生に、なぜ寝起き臭が発生するのか、そのメカニズムを教えてもらった。

●汗が皮膚常在菌に分解された臭い

「汗のかき方には個人差がありますが、誰しも寝ている間にも汗をかきます。その量はコップ1杯ほどの約200mlといわれています。汗をかいた後に、その汗をふいたりせず、着替えたりしない状態でいると、はじめは臭いがなくても、時間がたつと臭いがしてくることがあります。これは主に、汗腺から分泌された汗が皮膚常在菌により分解され、生じるものです。

日中起きている間は、意識して気を付けることができますが、寝ている間は、かいたままの状態が続くため、朝起きたときに汗臭が気になることがあるのです。また就寝中は、寝具などでより蒸れた状態になりやすく、臭いが強くなることもあります」

●寝起きは口臭が強くなりやすい

「体臭の原因になる主なものに、口臭があります。口臭の原因は口腔内の細菌です。日中は、歯磨きをしますし、唾液の分泌も多いため、細菌の増殖を抑えることができます。しかし寝ている間は、歯磨きをしてから長時間時間が経ち、唾液の分泌も減るために、どうしても細菌が増えてしまいます。このため寝起きの口臭は強くなりやすくなります」

●飲酒による体臭

「アルコール摂取による直接的な作用として、発汗量が増加することがあります。それに加えて、アルコールが体内で代謝されると、アセトアルデヒドや酢酸などのにおいの強い物質に変わります。これらが尿、汗、呼気から排出されるため、お酒を飲んだ翌日の寝起き臭は強くなりやすくなります」

また、櫻井先生によれば、寝起き臭は男性に限ったことではないという。

「男女共に、寝起き臭は発生します。個人差もありますので、性別のみで一概に男性のほうが強いとはいえない、と私は考えております。ただ、女性のほうが臭いに気を付ける傾向があることや、男性のほうが飲酒の機会が多いことなどから、男性のほうが寝起き臭が強いと感じるのかもしれません」