E1系は「Max」(「Multi Amenity Express」の略)という新幹線電車初の公式ニックネームが付与され、小泉今日子のCMも相まって視聴者からも注目を集めたほか、列車名も〈Maxあおば〉〈Maxあさひ〉などで案内し、わかりやすくした。
ラッシュ時やピーク時に絶大な威力を発揮したが、12両固定編成のため、フレキシブルな運用に対応できないことや、車内販売員は重いワゴンやカゴを抱えて車内の階段を上り下りしなければならず、“重労働”になってしまう課題も生じた。
これらを一挙に解消すべく、2代目MaxのE4系が1997年12月20日にデビュー。分割併合が容易にできるよう8両編成にしたのが特長で、2つつないだ16両編成時の座席定員は、世界最大の1,634人を誇る。このほか、車内に車販用及び車椅子用の昇降リフト設置を設け、移動も容易になり、使い勝手のいい車両となった。
E4系の増備に伴い、E1系は1999年12月4日のダイヤ改正で上越新幹線専任となり、黙々と活躍していたが、2012年10月28日をもって引退。代わりにE4系全車が上越新幹線専任となり、現在に至る。
■2020年度でE4系引退
“最後の2階建て新幹線”となったE4系は、東北新幹線からコンバートされたE2系に置き換えられ、2016年に引退の予定だったが、北陸新幹線で活躍するE7系の増備に方針転換された。これが幸いし、E4系の活躍が延長される恰好となった。
現在、上越新幹線は全線240 km/h運転で、フル規格新幹線の路線ではもっとも遅い。車両の置き換え完了後、上越・北陸新幹線はすべて最高速度275km/h運転の車両に統一。上越新幹線沿線の環境に影響がなければ、最高速度の引き上げも考えられる。
文/岸田法眼