厚生労働省が2016年10月に発表した「新規学卒者の離職状況(平成25年3月卒業者)」によると、大卒の約3割、高卒では約4割が3年以内に離職しており、特に大企業の3年離職率は前年比で増加傾向となっている。一方、「若手の受け身思考」「高学歴、学生時代の成績は優秀なのに仕事ができない」など、新人教育に頭を悩ませる企業も多いという。そんな中最近、注目を集めているのは想定外の事象や、正解のないものに判断を下して、仕事を進められる「仕事センス」と呼ばれる能力。
そこで企業・行政・自治体等の人材育成支援を手がける産業能率大学総合研究所では、現在就業中の社会人歴2年目の男女(以下、新卒2年目社員)、6~12年目の男女(以下、先輩社員)を対象に「仕事センスに関する意識調査」を実施した。
まず職場に、知識やスキルは高いにも関わらず、仕事を上手く進めるセンスがない人がいるかたずねたところ、6割の人が「いる」と回答した。男女別で見ると、「いる」と答えた人が女性は66.7%、男性は53.3%と大きな差が出る結果に。女性の方が「仕事のセンス」の評価に厳しいようだ。
また、先輩社員と新卒2年目社員を比較すると、「いる」と答えた人が先輩社員は65.3%、新卒2年目社員は54.7%とギャップが見られた。社会人経験を積むにつれ、「仕事のセンス」が大切だと感じるようになるのかもしれない。その反面、若手社員は「仕事にセンスが必要」という認識が薄いということもわかった。