■韓国でなぜ、人気爆発したの?
日本での想定売価は22万8000円前後(税抜)と、決してお安くはない。韓国での売価も似たようなもの。なのに韓国では爆発的なヒットとなり、全世界で月に1万台も売れている人気商品になった。なぜ、スタイラーはそんなに売れているのか? その理由を探ってみよう。
スタイラーは2011年発売当初はあまり売れなかったという。新ジャンルの家電製品であり、サイズもある。しかも機能がマーケットニーズを満たしていなかった。そこで、LGエレクトロニクスは徐々に改良を加えていった。
まず、第2世代ではパンツプレスを加えた。初期型ではシワ取り機能が強すぎて、ズボンの折り目まで取ってしまったからだ。
そして、第3世代はヒートポンプ方式を採用して優しい乾燥を充実させた。シャツをハンガーに掛けたまま乾燥すると、シワがつかずに仕上げることができ、好評を博した。
さらに、第4世代ではコンパクト化を実現。高さで11cm、幅で15cmもの大幅なシェイプアップを図った。
最新の第5世代は、NFCに対応。スマートフォンでの操作を実現した。
また、テレビのCMなどの方針も変更したのだという。発売当初は、あまりにも高所得層の共働き世帯へ訴求し過ぎてしまい、結果としてユーザーを逃していたというのだ。子供やお年寄りなどを含めた一般家庭が普段から気軽に使える製品として認知されると同時に、爆発的な人気となった。
■スタイラーってどのように使われているの?
日本から韓国へ旅行した我々は、韓国の高級ホテルでスタイラーを使う…そんな機会があるかもしれない。
韓国のウォールストリートといわれる汝矣島(ヨイド)に、ニューヨークスタイルの上品なホテルがある。それは「GLAD HOTEL」だ。
こちらは全館で320室をもち、土地柄世界各国の政府関係者やエグゼクティブが多数利用するという。そのうち20室にスタイラーが設置されているという。
利用客には大変好評で、「スタイラーのある部屋をお願いします」といった指名も多い。今後もスタイラーを設置する部屋を増やす計画になっている。