「政治とカネ」の問題で2代続けてトップが辞任した東京都。政治不信が高まる中、後を継いだ小池百合子知事の評価は高まる一方だ。あらためてその秘密を探ってみた。
◎威圧感を与えない柔和さとスマイル
昨夏の初当選以降、小池百合子・東京都知事の名を見聞きしない日はない。就任後、すぐに「都政改革本部」を立ち上げ、豊洲移転延期や五輪計画見直しなどを打ち出し、トップとしての手腕をさっそく発揮。情報公開の徹底によって都民や関係者の関心も惹きつけ、〝改革のうねり〟を大きくし続けている。
小池氏の魅力について、美容アナリスト・岸紅子さんは「理知的に物事を英断する一方、柔和で物腰柔らかく人に接するため、敵をつくりにくい。この相反する面を併せ持つ人は、政治家では稀」と評する。都知事選では「百合子グリーン」と称して緑のファッションに身を包み、支持者との一体感を演出した小池氏だが、その後のTPOに応じた装いも、評価を高めている。
衣服だけでなく、「常に姿勢よく胸を開いていらっしゃるので、凛として見えます。笑顔を絶やさないので、周囲に威圧感も与えない」(岸さん)という。
女性政治家では珍しく、主婦層の人気も高い小池氏だが、こうした気配りが支持につながる背景にあるのかもしれない。
【小池百合子知事の3つの力】
[決断力]
旧態依然たる組織に臆することなく「ノー」を突きつける。築地市場移転や東京五輪会場の見直しでは「無理なところは無理。リアルな判断をします」と断言。
[包容力]
攻撃されても笑顔でさらりとかわす。都議会の自民党議長に記念撮影を拒否された際、怒りや失意の表情を一切見せなかったことで器の大きさを世に知らしめた。
[行動力]
問題解決のために、現場の人の意見を聞くことを徹底している。そのためには多忙を極めても現地に足を運び、自らの目で確かめ、情報入手する手間をいとわない。
東京都知事 小池百合子
1952年兵庫県生まれ。キャスターとして活躍後、92年に政界に転身し、環境大臣、防衛大臣などを歴任。2016年に東京都知事選に出馬、初の女性都知事となった。