■店舗はすべて直営でスタッフも全員社員
アイデクトは現在22店舗の直営店を持つ。しかもスタッフは全員社員だという
「お客さまの大切な資産を扱わせていただくのですから、おざなりな接客はできません。しかも、信頼がなければ大事な資産をお預けいただくことも不可能です。そのため、店舗スタッフはジュエリープランナーの資格を持った社員のみです。そのため、店舗はまだ関東を中心とした地域にしか展開できていません。今後は名古屋・関西・福岡など大規模な商圏に直営店舗を展開していきたいと思っています。それ以外の地域については、信頼のある既存の宝飾小売店さまと提携してフランチャイズ化も考えています」
年率30%を超える急成長を遂げているアイデクトだが、実はまだまだ伸びしろがあるのだ。各店舗の売り上げも伸びているというから、かけ算で売上が伸びていく可能性を秘めている。
一方でECはというと、これはリユースのみだ。
「ECはリユースに限っています。その理由はコンサルティングが難しいからです。対面での接客がアイデクトの基本です」
裏を返せば、ECなどが参入するには障壁があるということ。店舗を展開して顧客を増やしていけば、顧客のライフサイクルに応じてビジネスが普遍的に続く可能性を持つ。
「現在、本社では全店舗からの修理を一括して行っています。それはスピーディな応対をするために欠かせないからです。しかし、オーダーメイドジュエリーについては『現代の名工』と呼ばれる、厚生労働省から表彰を受けた日本を代表するジュエリー職人とタッグを組むなど、フレキシブルにしています。スピード性と付加価値性は分けて考えていますので、店舗数が増えても十分対応していけると思います」
プライマリー市場が崩壊、苦境に陥っているビジネスは日本で増えている。そして、少子化やグローバル化など、今後も厳しい状況は続く。
そんな中、セカンダリー市場が持つ普遍的な価値にいち早く着目し、ジュエリー市場で急成長するアイデクトの存在は、ひときわ輝いているように思われた。
文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)
※記事中の情報は取材時のものです。