■Introduction
ブラックボディーには、プロ仕様のイメージがある。例えばプロカメラマンはブラックボディーの一眼レフカメラを使っているとか。銀塩カメラのNikonFシリーズも数字一桁のプロ機は断然ブラックボディーだ。F3以降はチタンを除いてブラックしか存在しない。撮影するときに目立ちたくない、カメラボディーが被写体に反射するのが困るなどの理由から、クロームシルバーより艶消しブラックが好まれた。プロ用のCanon F-1もブラックボディーのみ。LEICAもMシリーズはクロームボディーから始まり、M3、M2、M4にオリジナルのブラックペイントがわずかに存在しプロ仕様と呼ばれている。
ifiはmicroもnanoシリーズもサンドブラスト仕上げのシルバーが定番だったのだが、昨年、ブラックバージョンの『micro iDSD BL』が加わった。こちらはカラーリングの変更だけでなく内容が変更されている。どちらかと言えばチューンナップ版であることを色で分かりやすくアピールしているのだ。ではスペックが変わったのだろうか? 否、PCM 768kHz/32bit、DSD 22.4MHzというデジタル最強スペックに変更はなく、入力端子はUSB/Aを採用してiOSのLightning/USBカメラアダプターケーブルが直接接続できる。同軸と光に対応したハイブリッド端子も健在で、RCA端子のライン出力もある。その他の機能も従来と何ら変わりはない。それではどこが変わったのかと言えば、音質である。