小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

なぜ、会社を辞めた人のことを悪く言おうとするのか?

2017.03.26

■宿命から逃げることができる

 多くの会社員は、何らかの不平がある。だが、辞めることができない。時間が経ち、年をとる。転職も難しくなる。結局、今の会社に残る。そして、若い社員に自分の武勇伝などを話し、大きく見せようとする。多くの会社員は、このような宿命を抱えて生きている。辞めていく人をけなすと、この悲しい性から解き放たれた解放感に浸ることができる。強いアルコールを飲むと、酔いが回り、とりあえずは、日々の不満を忘れることができるのと同じだ。

■社長や役員、管理職などが黙認する

 社長や役員、管理職などは、退職者をバカにする社員を厳しく叱らない。誹謗・中傷を言っていても、黙認している場合が多い。それには、いくつもの理由がある。1つは、退職者はある意味での裏切りをしたからだ。「辞めていった彼は、立派」と称えてしまえば、退職者が増えていくかもしれない。むしろ、「うちの会社を辞めたところで、あいつは上手くはいかない」と言い、辞めることをためらうように仕向ける。こういう文化があるからこそ、退職者をバカにする社員は減らない。

■本当にダメな人材であった

 バカにされる退職者は、本当にダメな人材であった可能性もある。例えば、遅刻が多く、仕事のスピードは遅い。上司の命令・指示も正確に理解できない。取引先やクライアントとの関係も悪化させるばかり。ところが、悪びれた様子がない。反省もしない。むしろ、居直りともとれる言動をとる。皆から浮きまくりとなり、孤立し、ひっそりと辞めていく。こういう社員はやはり、バカにされやすい。

会社を辞める人がいたら、その後を観察してほしい。「あの人はひどかった」「迷惑だった」「もっと早く辞めればよかったのに…」とバカにされる人がいたら、今回の記事を思い起こしてほしい。取り上げたいずれかの理由で、そのようになっているからだ。それを探ると、職場や会社の問題点なども見えてくるはずだ。退職者をバカにしたところで、その社員たちの前途が明るくなることはまずない。

文/吉田典史

ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。

■連載/あるあるビジネス処方箋

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。