■部下を持つと、人間が変わる
警戒するべきは、こういうタイプの人がプロジェクトのリーダーをしたりして、下に人をつけるときだ。日ごろから不満や劣等感が強いがゆえに、バカにしたり、いじめたりする場合がある。パワハラなどをする可能性もあるかもしれない。上司たちにあることないことを報告し、自分を売り込もうとする可能性があることも否定できない。
管理職になり、部下をもったときは要注意だ。部下には相当に厳しく指導をしたり、部下の手柄を自分の功績にしたりして、役員たちに報告することが考えられる。「チクリ魔」でもあるから、最高に警戒しないといけない。
30代半ばまでくらいに会社や上司を批判し続けた人が何かの弾みで、管理職になると、手のヒラを裏返し、徹底した「会社人間」になる。仕事熱心で、部下の育成をして、人事評価も公平にするならば、問題ではないのかもしれない。
だが、不満や劣等感が強すぎるから、そんな公平な感覚も使命感も、責任感もないのだ。今、目の前にいる同世代の社員で、批判ばかりしている人がいたら、その10~20年後を想像してみよう。きっと「反面教師」になるはずだ。
文/吉田典史
ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。
■連載/あるあるビジネス処方箋