■Introduction
オンキヨー&パイオニアイノベーションズが発表したSIMフリー、ハイレゾスマートフォン『GRANBEAT DP-CMX1』は「スマートフォン史上 最高音質」をコンセプトに製品化されたという。そんなに素晴らしい音ならぜひ聴いてみたい、と速攻で試聴機を借りた。製品を見たらほとんど『DP-X1』である。ダブルスロットの部分を変更してデュアルSIM対応にしている。つまり、スマホにハイレゾプレーヤー機能をプラスしたのではなく、ハイレゾプレーヤーをベースにスマホ機能を搭載したのだ。そのため重量は234gと、重いと言われる『iPhone 7 Plus』の192gを軽くオーバーする超重量級モデルになった。7 Plusが厚さ7.3mmなのに対してGRANBEATは11.9mmとスマートフォン史上最厚という感じなのだ。また音楽再生時にスマホ機能をOFFにするStand-aloneモードまで搭載。とことん音質にこだわっているオーラを漂わせるモデルなのだ。
■Design
スマホ用の基板とは別にオーディオ専用基板を搭載。DACはESS/ES9018C2Mを2個、ヘッドホンアンプにはSABRE 9601Kを2個搭載した完全バランス構成。バランス出力だけでなく、同社独自のACG(Active Control GND)駆動にも対応している。バランス端子はφ2.5mm4pinを採用。ヘッドホン端子によるバランスとアンバランスの出力自動切り替えにも対応。インターフェイスはスマホの常識を無視した左側面ダイヤル式の音量調整、右側面には1曲送り、再生/停止、1曲戻しボタンとホールドスイッチを搭載。ちなみにダイヤルを回してカメラ機能のシャッターも切れる。音楽再生アプリのインターフェイスは、バランスとACGの切り替え、Stand-aloneモード、ラインアウトが音質設定画面と別の設定画面にあり使い難い。
音質設定と別階層にオーディオ設定画面があり、全部で3つのメニューにオーディオ機能が分散されるため、DMPに慣れたユーザーでもサクサク使いこなすのは難しいだろう。内蔵メモリーが128GBもあるため、microSDカードを抜き差しする機会は少ないだろうが、ピンでロックを解除しなければmicroSDカードスロットにアクセスできないのも面倒である。これが防水仕様なら仕方ないと思うが。
天面にラインアウトを兼ねたバランス用とアンバランス用のヘッドホン端子が2つ並ぶ。