JRの国分寺駅から数駅。西武国分寺線で数駅のところに今日の取材対象となる男の工房はある。工房とはいってもアパートの一室だ。アパートのドアを開けると2LDKの室内には似合わない工具が鎮座している。
ジグボーラー。1/1000ミリメートル単位で金属に穴を開けることができる。
男の名は牧原大造。日本でも類を見ない「時計製造」と「時計彫金」の2足のわらじを履く男である。先日、クラウドファンディングで成功を収めたプロダクトを作った経験を持っている。(参考:「日本人時計師に完全オリジナルで機械式腕時計を作製してもらいたい!」(faavoつくば))
なぜ時計に彫金や磨きを施すのか? 美しく装飾された時計は「鑑賞の楽しみ」という付加価値を上げ、研磨された歯車などは摩擦係数が減るため、機械式時計がより正確に動くようになるためだ。
牧原氏が過去製作した時計。コート・ド・ジュネーブと呼ばれる波状の装飾が美しい。