■力の差を周知の事実にする
もし、こういった状態が続くようなら、今度は、仕事の姿勢や実績、成果などで力の差を見せつけよう。実績、成果だけではなく、仕事への姿勢や取り組みもまた、大切なものだ。後輩より、あなたのほうが、これらの点ではるかに勝っていることを、皆の前で立証するのが一番効果的だ。たくさんの人が見ている中で勝つことこそが重要なのだ。
そして、その力の差を幹部や上司などにきちんと把握してもらうこと。上司を味方につけておくと、後輩はあなたに攻撃をしてくる機会が減るはずだ。様々な工夫をして、機会あるごとに力の差を見せつけておくことこそが、自分自身を守ることにつながる。とはいっても、上司があなたの側につくとは限らない。たとえそうであっても、歴然とした力の差があることを皆の前で示しておけば、後輩が挑戦をしてくることは少なくなる。1回だけ勝ったくらいで安堵するのではなく、何回でもあなたが優秀であることを証明しておこう。
■ガードを固める
もし、あなたに嫉妬して闘いを挑みながら勝つことができないことがわかると、後輩はいったんは大人しくなるだろう。しかし、ギブアップしたわけではない。何かのきっかけで、あなたの足を引っ張ることをするかもしれない。そのことを忘れないようにしておこう。そもそも、そんなに簡単に引き下がるタイプならば、先輩であるあなたに挑戦状を叩きつけることなどしないはずだ。極端なほど勝気で執念深く、自己中心的な性格な人物だ。
だからこそ、油断は禁物。自分が常に観察されていると心得ておけば、隙を与えることも減るだろう。再び攻撃を受けたとしても、感情的に対応することだけは避けたい。常に冷静に、力の差を見せつけることこそが、大切なのだ。
本来、同じ部署なら、後輩であれ、先輩であれ、上司であれ、常日頃から良好な関係を作るべきだ。だが、その常識が通用しない職場があるということも否定しがたい事実。後輩からライバル意識をもたれ、闘いを挑まれる場合、今度は上司や先輩からどこかのタイミングで攻撃を受ける可能性がある。下剋上で、油断ができない社風なのだろう。時にはそのような職場だと割り切ることも大切だ。
文/吉田典史
ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。
■連載/あるあるビジネス処方箋