■窓側席のフリースペースが広い
座席は少し固め。シェルフラットシートとの大きな違いは、ひじ掛けの存在だ。窓側席の場合、窓側に少し掘られたようなひじ掛けが設けられ、文字通り肘だけを置くスペースで少々手狭&窮屈さがあった。一方、通路側のひじ掛けは座面よりかなり下にセットされ、必要に応じて上に引き上げるタイプ。ただし、離着陸時は元に戻す必要がある。
その他の造りはさすが最新型と唸る工夫が随所にあり、テーブルの角度を変えられる仕組みはなかなか便利。小物入れには一眼レフも収納することができるし、窓側には中央席の倍ほどのフリースペースがあり、どっさりモノを置くことができた。
ディスプレイは17インチでかなり大きく感じる。少し老眼の入った筆者でも眼鏡なしで楽しめた。操作はコントローラーのほか、画面にタッチすることでも可能。特にフライトマップはスマホの操作感と同様、拡大縮小や視点変更など全て指での操作が可能で、自由に見たい情報を出すことができた。従来機では搭載されていた機外カメラはなくなったようで、航空マニアの楽しみは少し減ったかもしれない。
■いざフルフラット体験!
離陸後シートベルトサインが消えると、まずチャレンジしたのはフルフラットの体験だ。何といってもここが今回の肝である。壁に埋め込まれている操作盤を押し続ければ、シートは座面が徐々に前にせり出すように動き始める。
この時、足はディスプレイの真下にポッカリ口を開けているスペースに入れるのだが、奥行きはかなりある。フルフラットになった状態でも、身長183cmの筆者の足先にはまだ余裕があった。
気になったのは、枕に相当するヘッドレストの部分。座席として使用する際はここに大きな荷重はかからず、頭を適度な角度でホールドしてくれるのだが、フルフラットにすると頭の荷重がモロにかかり、元に戻ってしまう。備品の枕を使ってみるが、国内線でも使っているような小さく軟らかなものなので、しっくりこない。色々試し、最後は毛布を折りたたみ枕の下に入れることでちょうどよくなった。体形や人それぞれの好みもあると思うが、もっと硬目でしっかりした枕があれば良かった。