裁判所のジャッジ
裁判所はザックリ「 たしかに懲戒事由にあたるけど、懲戒解雇はやりすぎだわ、無効!」と判断しました。以下、詳しく解説します。
▼ たしかに懲戒事由にあたる
まず裁判所は「風俗店で働いていたことを隠したことは【にせの経歴を作っている】ので懲戒事由にあたる」と判断しました。
裁判所は「風俗店で働いていたことを会社が知っていた場合は、Aさんを雇用しなかったか、または採用に関してより慎重な検討をした上で対応策を講じるなどの結論を出した」としているので、重要な経歴詐称と判断したと考えられます。
一般的には、その経歴が採否に決定的な影響を与え、その経歴を知っていれば採用しなかった時には重要な経歴詐称にあたる考えられています。
多くの会社の就業規則では重要な経歴詐称をすると懲戒解雇になると規定されています。
▼ けど懲戒解雇は無効
けど懲戒解雇は無効!と判断しました。なぜか?「権利の濫用」にあたると判断されたからです。今では以下の条文に定められています。
労働契約法 15条
使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。
会社
「ちょっと待ってください!」
「Aさんが過去に風俗店で働いていたことが客の間で噂になると業務に支障が出ます」
裁判所
「シャラップ!」
「以下の理由により、懲戒解雇は権利の濫用だ」。
・風俗で働いていたのは2か月
・解雇通告後もホールスタッフとして働いており配置転換などしなかった
・Aさんは有期雇用のアルバイトにすぎない
→ 企業秩序が侵害されたとしても、程度としては軽微
・勤務態度は特に問題なし
最後に
誰しもコレは隠しておきたいなという経歴があると思うんですが、バレた場合は解雇されるリスクがあることを頭に入れておいてください。
ただ、重要な経歴詐称じゃなければ戦える可能性があります。もし経歴詐称で解雇されそうな方がいれば社外の労働組合か弁護士に相談してみましょう。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
「ムズイ法律を、おもしろく」をモットーにコンテンツを作成している弁護士
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