バブル崩壊後の景気低迷や就職氷河期──。ため息ばかりだった日本へ、1997年、ひとりの刑事が希望と興奮をもたらした。出世より現場。慣例より行動。根回しより正義感。当時、多くの共感を集めた青島俊作の姿は、今見ても驚くほど新しい。そして2026年、あの青島が帰ってくる!創刊40周年、彼と同じ時代を生きてきたDIMEの最新号では、世代を超えて愛される『踊る大捜査線』シリーズの軌跡を総力取材。令和のビジネスパーソンに再び熱をもたらすヒーローの姿とは? 踊る旋風を見逃すな!

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本広克行 監督 スペシャルインタビュー!
歴代作品と同様に最新作『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』でもメガホンを取ったのは、本広克行監督だ。コメディーであり感動作でもある『踊る』の要素をどのように継承し、アップデートしたのか。見どころも含めて製作の舞台裏について聞いた。

本広克行
1965年、香川県生まれ。1992年にフジテレビ『悪いこと』でドラマ監督デビュー。1996年に『7月7日、晴れ』で映画監督デビューを果たした。劇団「ヨーロッパ企画」の舞台を数多く映画化し、2005年の『サマータイムマシン・ブルース』は大ヒットを記録。代表作に『踊る大捜査線』シリーズ、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズなど。
『踊る』シリーズをともに製作してきた
プロデューサー・亀山千広さんと脚本家・君塚良一さんとの関係性
最初に『踊る大捜査線』の企画を聞いた時は少し戸惑ったとか。
「〈サラリーマン刑事〉という世界観が新鮮であり、犯人を追いかけて走る描写がほぼなく、既存の刑事ドラマとは一線を画す内容だと思いました。それに、今見ても古さを感じませんし、本当によく出来ているなと。番組を立ち上げた亀山千広プロデューサーが、最初からそこまで計算していたのかは謎ですけどね(笑)」
プロデューサーの亀山さんと脚本の君塚良一さんは、本広監督にとって恩師と師匠のような存在。派手な作風を好む亀山さんに対し、君塚さんはドシンッとした映画っぽい物語を書くという。

「そのバランスを取るのが、僕の役割でした。また、亀山さんはアイデアマンでもあり、一昨年に公開された『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』の時もそう。当初はBSフジで放送しようと考えていたそうなんです。ずっと室井さんが畑を耕してるだけのようなミニドラマを(笑)。それが劇場公開へと変更されると、最初こそ、畑仕事をしている室井さんのもとへ少年がやってくるという展開だけだったのが、猟奇殺人犯の日向真奈美(小泉今日子)を加え、壮大な物語へと広げていった。こうした閃きを次々と出されるのが亀山さんなんですよね」
一方、君塚さんの脚本はすべてが恐ろしいほどに完璧とのこと。
「元構成作家なので、アドリブを入れやすい脚本になっているし、台本を読み返すたびに様々な仕掛けに気づかされる。それに、演出する側からすると無理難題も多い。ですから、今回も若い助監督たちは別の案を考えてどんどん変えていこうとしたんです。ただ、僕からしたら君塚さんの脚本は〈聖書〉ですからね。若手の才能を頼もしく感じつつ、僕は脚本を守ることに徹しました(笑)。今作では、その両面がうまく生きていると思っています」
君塚良一氏の脚本と若いスタッフの才能をバランスよく作品に反映


映画の製作を担当した株式会社FILMには若い才能が集まっている。「みんな『踊る』を見て育ってきたから、現場ではあまり僕から深く説明せず、自由に彼らに意見を出してもらい、取り入れていくという環境を作りました」と本広監督。「おかげで、普段は眠れない日が続く現場が多いけれど、今回は楽しく撮影ができました(笑)」




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