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〝こだわりが強すぎる社員〟を解雇することはできるのか?9年間の指導の末、クビが認められた理由

2026.08.27

裁判所のジャッジ

裁判所は「解雇OK!」と判断しました。

裁判所が認定した事実は、以下のとおりです(一部抜粋)

・Aさんは、抽象論やあるべき論に固執して、担当業務を円滑に進捗することができず、面談等において指導を受けながらこれに従わなかった。
・上司に対して、業務に関係しない不適切な内容のメールを繰り返し送信し、その中には、他の社員を誹謗中傷する内容のものも多数あった。上司から「業務の妨げになるのでそのようなメールの送信を止めるよう」繰り返し注意指導を受けたにもかかわらず、上記のメールの送信を止めなかった。
・Aさんが、裁判の本人尋問において、「上記のメールが不適切な内容のものとは考えていない」旨供述している。

これらの事実を認定した上で、裁判所は「Aさんは、上司からの注意指導にもかかわらず、独自の見解を正当なものであると考えてこれに固執し自らの行動を一切変えようとしない独善的な姿勢が顕著だ」と指摘。

裁判所の叱責は止まらず、次の事実も認定しています。

・Aさんは、担当業務の遂行について特別な支援体制が敷かれ、手厚い指導を受けながら、自らの姿勢や考え方を一切顧みることなく、Aさんが担当業務を円滑に遂行できないのは、もっぱら周囲の指導不足によるものである旨の他責的な言動を繰り返した。
・自らの問題点を指摘されたり、自らの意に沿わない指導等を受けたりした場合に、大声を出す、机を叩く、暴行に及ぶなど、感情的かつ攻撃的な態度をとった。
・これにより職場の同僚がAさんを怖がることとなり、上司がAさんに対する指導を躊躇せざるをえない事態となった。

その上で裁判所は「このようなAさんの態度は、自省する能力の欠如を表すものであるとともに、職場内の円滑なコミュニケーションを阻害し、職場の協調性を損なう」と断罪。

裁判所の糾弾は止まりません。

・同僚から机の整理整頓を指摘された際の会話をX社から貸与されたスマートフォンで無断録音しその音声データを上司に送信した。
・他の社員の外出する姿をX社から貸与されたスマートフォンで無断で撮影し、その社員が飲食に出かける場面であるとしてその写真を上司に送信した。

これらを踏まえて、裁判所は「このような行為は、職場の規律に反するものである上、組織において通常要求される情報管理やプライバシーに対する規範意識が乏しいことを示す」と述べています。

■ X社は努力を尽くしていた

上記のような問題社員であったにもかかわらず、X社は、約9年間にわたり、Aさんの配属や担当業務を変更してAさんが行うべき業務の水準を下げる一方で、特別の支援体制を敷くなどして継続的に指導を行い、Aさんの不適切な言動に対しても注意指導を繰り返してきました。

裁判所は、こうしたX社側のAさんに対する配慮を認定して、「X社は、Aさんの雇用を継続するための努力を尽くした」とし、「本件解雇が社会通念上の相当性を欠くとはいえず、有効である」と結論づけました。

単に「仕事ができない」という程度の理由で解雇がOKとなることはありませんが、本件のように「指導を受けても態度を改めない」「自分の問題を認めず、他責的な言動を続ける」などの事情があった場合、解雇OKになる可能性が高いです。

今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!

取材・文/林 孝匡(弁護士)
「ムズイ法律を、おもしろく」をモットーにコンテンツを作成している弁護士
YouTube:https://www.youtube.com/@saiban_LABO

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